いろいろホワイトボード[2018年7月号]

激変する社会と経済、今後10年の展望

 今月のホワイトボードでは、5月に行われた村上支部例会での、池田泰秋氏(中小企業家全国協議会事務局次長・新潟同友会事務局長)の報告の一部を、まとめていただきました。

 日本経済は全体的に緩やかな成長が続き、2017年は2012年12月から続いている景気回復がいざなぎ景気を超え、戦後2番目の景気拡大となりました。しかしながら実感に乏しく、消費が伸び悩むとともに、人手不足などが重なり、サービス関連業種などがなかなか難しい状況にあります。一方で、好調な設備投資などで製造業などが堅調に推移しています。

 また、全国で採用難、人手不足が続き、人件費は上昇しつつあります。世代交代期における人口の減少、少子化・高齢化の影響が日本経済、地域経済にも影響を及ぼしつつあります。

 同友会では、経営指針に10年ビジョンを掲げ、今後の未来に向けての展望と課題をもって成文化と実践をすることを提起しました。

 今後10年を展望すると、第4次産業革命とよばれる技術革新による社会や経済の構造の転換が叫ばれています。AI(人工知能)やIoT、ロボットなどの技術が企業にとってのチャンスもありますが、なくなる仕事のリスクもあります。


 課題を整理すると、

  • ①人口に関する問題、日本では人口減少の一方で、世界の人口は増加し特にアジアが注目されています。

  • ②環境・エネルギーに関する問題では、2015年のパリ協定をうけて脱炭素やCO2排出削減の動きが一層進み、企業経営にも影響が出てくる一方、エネルギーシフトの取り組みはチャンスでもあります。

  • ③技術革新・第4次産業革命への対応と対策です。無くなる仕事や影響を受ける職業も多いといわれていますが、逆に人間にしかできない本来の仕事に集中できるということでもあります。

  • ④安全保障問題。政治や国際関係の問題は今後も経済への影響という観点で重要な課題となっています。

  • ⑤通貨・決済システムのデジタル化などが考えられます。


 その中でやるべきことについては、

  • 1点目は「地域経済循環」を高めていくこと。エネルギーの地消地産やエネルギーシフト(=図1)が重要となります。
  • 【図1】
    図1


  • 2点目は1%の富裕層と99%の貧困層と言われている中で、世界の仕事づくりへの貢献が求められます。日本の中小企業が海外展開することも検討する必要があります。

  • 3点目は環境問題と災害への対応・対策です。CO2対策、災害対策は産業構造を変える可能性があり、EVシフトではエンジンがなくなる社会となっていきます。

  • 4点目は労働に対する意識の転換です。日本でも欧米のように、残業削減・時短は当たり前となり、就業規則の改定、週休3日や一ヶ月休みなどの企業も出てくると思われます。多様な働き方への対応が求められます。

  • 5点目は技術革新への対応・対策です。AI・IoT・フィンテック・電子通貨・デジタル決済などの経営・仕事に対する機会と脅威の検討が必要となります。

  • 6点目は多様化への対応です。障害者・高齢者・女性などの活躍推進、外国人の雇用なども検討する必要があります。

  • 7点目は持続可能な開発目標(SDGs=図2)も重要です。
  • 【図2】
    図2


 さまざま課題がありますが、経営ではそのことを踏まえて、シミュレーションをすることが重要と思います。エネルギーシフトはひとつのキーワードとなりますので、支部例会や委員会活動、全国行事等に参加し学んで実践していきましょう。

[池田 泰秋(中小企業家全国協議会事務局次長・新潟同友会事務局長)記]