いろいろホワイトボード[2018年5月号]

「脱★ドンブリ経営セミナー」 レポート

◆開催日:2018年2月21日(水) ◆主 催:青年部会

西久保勝郎氏 青年部会では、新潟同友会の若手経営者が中心となり、若手経営者ならではの悩みや困りごとに合わせたセミナーを開催しています。今号では、2月21日に開催された青年部会勉強会、「脱☆ドンブリ経営」の内容からその中の一部を講師である西久保勝郎税理士事務所 代表税理士 西久保勝郎氏からお話を伺いました。

セミナー風景

『脱☆ドンブリ経営セミナー』

 財務や数字の話を「難しく話すコツ」というものがあります。多くの人はそのコツを身に着けているので話が難しくなり、相手に伝わりません。そこで私は、自社の数字を相手にわかりやすく伝えるためには、その逆をすればいいということに気が付きました。

 では、ここでお聞きします。最初に頭の体操としてお考えください。財務や数字の話を難しく話すコツはなんでしょうか?それは・・・「正確さを追求すること」です。これをするととたんに話が難しくなります。勿論、専門家が作る書類は正確である必要がありますが、経営者が必要な数字は、シンプルに「早く知りたい」というところにあるのです。木で例えるならば、大幹だけで、枝葉はばっさり切り捨てる、言い換えると大幹である2割だけを残し、残り8割はばっさり切り捨てるということです。では、その2割はどこでしょう?

 次の質問です。経営者にとって大幹となる2割はどこですか?ばっさり切り捨てるいらない8割はなんでしょうか?経営者にとっていらない8割は次の二つです。

1、専門的過ぎる仕訳の話
2、専門的過ぎる税金の話

 では、経営者にとって必要な、大幹である2割の話は何でしょう?それは経営判断に使えるお金の話です。例えば、1千万円の設備投資をしたいが、元が取れる投資なのか?従業員を2人雇いたいがいくらの売上が必要になるか?自社の借入金の上限はいくらなのか?など経営判断に必要な話なのです。


《図1》
図1 この判断は、簡単な7つのブロック図を書くだけでわかるようになります。この図は和仁達也氏から教わったものですが、本人の許可をもらって皆さんにお伝えするもので、お金のブロックパズルといいます。(図1参照)

 ここに変動費20、粗利80とありますね。変動費とは、売上が増えると増える費用のことを言います。例えば、水を売っているお店の変動費は水の仕入れ値が変動費となります。では、タクシーの変動費は? 歯科医の変動費は?そう、タクシーの変動費はガソリン、歯科医の変動費は外注費(材料費)です。ここで自社の変動費は何か。粗利は何%か。各自で考えてみてください。変動費を改めて説明すると、売上が上がると必ず上がる費用です。売上が上がっても上がらなくても変動する費用ではありませんので、自社の商品、サービスと結びつけて考えてください。

 自社の変動費、粗利がわかったところで、次の質問です。卸売業、スーパー、メーカー、レストラン、歯科医この5つの業種で、各々の粗利の割合が高い順で並べ替えてください。

 さらに、各々の粗利の割合も考えてください。※1 回答はこの記事の一番最後に記載します。

 さあ、お金のブロックパズルで、利益が10となりました。ここで、経営者である皆さんに改めてお聞きします。今、この図を見た従業員から次のような提案があったとします。【従業員「社長、当社は利益が10残っています。この10のうち半分をボーナスとして払ってください!」】

 さあ、皆さんなら、この従業員の申し出になんと答えますか?ここでは、答えを言わずにお金のブロックパズルの続きを見ていきましょう。利益から出て行くものがあります。税金、借入金の返済、投資、万一の備えです。


《図2》
図2

 この図(図2参照)をみてわかるように、10の利益から、半分の5をボーナスとして払ったら、借入金の返済ができなくなりますね。また、利益の後に出て行くものもあります。

 こんな話を従業員が理解できるように説明できると、会社のことが今よりもっと伝わり、従業員とのギャップが埋められるのではないかと思います。ぜひ、この図をうまく使って、従業員に説明してみてください。きっと自社のことがよくわかり、これからどうすればいいのかヒントが見つかると思います。

[西久保勝郎税理士事務所 代表税理士 西久保 勝郎(新潟支部セントラル地区)記]


【参加者からの感想】

 西久保勝郎税理士事務所の西久保氏を講師に招き、青年部会勉強会として「脱ドンブリ経営」勉強会を開催させていただきました。大勢の方にご参加いただき、大変ありがとうございました。

 セミナーの内容も非常にわかりやすく、決算書の項目の中で経営者が学ぶべきところと学ぶ必要のない部分があるという、今まであまり意識しなかったことに気づかされました。今回のセミナーで学んだことを会社に持ち帰り、あらためて自社の決算書と向き合ってみようと思います。

[青年部会 部会長 ㈱富岡鉄工所 常務取締役 冨岡 洋也(新発田支部)記]

セミナー風景※1 回答 卸(15%)スーパー(30%)メーカー(50%)レストラン(70%)歯科医(80%)です。