特集:輝く!新潟企業家[2020年2月号]

株式会社安武商事 常務取締役 長谷川 剛史(下越南支部)

会社では聞けない悩みを同友会で相談。その時出した答えが人生のターニングポイントに!

長谷川 剛史(下越南支部)
株式会社安武商事 常務取締役

私と安武商事

202002feature2.jpg 私が㈱安武商事にホテルの営業職として入社したのは、1998年のことです。1972年創業、1973年設立の安武商事は、1997年に総合結婚式場にホテル棟を増設、現在のガーデンホテルマリエールの営業を開始しました。地元の高校を卒業する際に、担当の先生に「営業系の仕事が合うんじゃないか」と進められたことがきっかけでこの仕事に就きました。

 2つ上の姉の同級生が勤務していると聞いて親近感が湧き地元で働いて貢献したいと言う想いもあり就職試験に応募し入社しました。

 実際に働いてみると、自分の中でイメージしていた仕事よりも多くが求められる仕事でしたが、喜ぶお客様の姿に感動を覚え、やりがいも感じ一生懸命日々を過ごしました。先輩からいろいろ教えてもらい、上司との同行営業やお客様に指導されながらもなんだかんだで、ある程度身につけることが出来たと思います(まだまだ勉強中ですが・・・)。

202002feature3.jpg 安武商事は、本社を置く五泉市のガーデンホテルマリエールの他に、見附市のイングリッシュガーデンホテルレアント、新潟市にとんかつ専門店 新潟かつ一を2店舗、長岡市寺泊の海鮮料理店 海鮮茶屋 汐の華、柏崎市にある レストラン 花づな等、外食業・ホテルレストラン業を中心に経営しています。

先輩ばかりの同友会

 私が同友会へ入会したのは、2010年でした。当時、何の役職も持っていなかった私ですが、現会長のペア会員として入会させていただきました。後輩も他の会に入会しておりましたので、私を同友会へ入会させていただいた事が、当時から期待してもらっていたのかはよく分かりません。当時、下越南支部の例会に、初めて参加し、他の経営者の方と話す機会を頂きました。まだ20代だった私にとっては、見渡す限り先輩しかおらず、本当に色々なお話を聞く事が出来てとても勉強や励みになりました。下越南支部は、社内では言えない悩みを、本音で相談できる場所です。会長の事もよく知っておられる方々に、自分の悩みや考えを話すことは少し緊張しましたが、「自分が経験できない分野の話や、異業種の経営者の皆様方の生の声が聴ける」という事は、自分にとってとても大きなプラスになりました。

大きな悩みと自己変革

 同友会へ入会した少し後、私にとって大きな出来事がありました。当時、営業部長だった上司が昇進となり、後任の営業部長を決めるという事になりました。その際に選ばれたのは、私の1つ年下で、同じ高校出身で部活も同じだった後輩でした。お互い競争し、高め合いながら仕事をしてきてはおりましたが、正直なところ、「なんで自分じゃないんだろう。」そう思いました。営業成績では、現在まで20年以上トップを譲らず、「営業部」という組織では一番だと自負していたからです。そして同時に、営業として「自分の求めて来たものは間違っていたのかな。必要とされていないのかな。」と目的や目標がわからなくなり、非常に悩み、一時は必要ないなら辞めようとも思いました。そして、どうしても納得が行かず、思い悩んだ結果、当時の上司に「自分には何が足りなかったのでしょうか?」と、聞いてみました。「そういうことではなく、営業だけではなくフロントや女性スタッフのみんなが働きやすい環境を考えた時に、長谷川ではないと判断した。」とはっきりと言われました。

 確かに私は、結果や数字については誰にも負けていませんでした。しかし、そこで初めて、他の部分で後輩に劣っていたという事実を突きつけられました。直後はやる気もなくなりかけましたが・・・。

 同友会で参加した例会でも、複雑な心境ではありましたが、その悩みを打ち明けました。同友会の皆さんも、私の悩みを自身や自社社員に置き換え真剣に考えてくれました。皆さんに話し自分で出した答えは、「人事は自分で決められないから仕方がない。腐るのはいつだって出来るけどそれじゃ面白くない」と思い、逆に「納得いくまでとことんやってやろう」という気持ちが現れました。「絶対に実績を残し続ける、負けてらんね!」と自分を鼓舞し意識が変わった瞬間でした。嫌な言い方だとは思いますが、上司になった後輩にとって、私は『一番使いづらく扱いづらい部下』になったわけです。 そして、昇進した上司も、見附のホテルに配属となり、営業部は、舵取り役の新しい部長と結果優先主義の私が協力していかなければいけない状況になった事は明白でした。なにより、私と部長がお互い気持ちよく仕事をしていなければ、周りのスタッフに気を使わせてしまうと思い、後輩である部長と腹を割って話し合う事を私から提案し、自分達がどう動けば最善なのかを二人で話し考えました。

 その後、協力・切磋琢磨し続け、私も部長職・取締役を経て、現在の常務取締役へ。後輩も昨年、常務取締役となりました。今思うと、その頃が自分自身で一番のターニングポイントだったと思います。

今の立場から見るビジョン

202002feature4.jpg 当社では、5年ほど前から、障がい者雇用について本格的に動き出し、現在は10名ほどの雇用を行っています。現会長が、障がい者雇用に取り組みたいと社内で話し、研修生を受け入れたことが最初でした。2013年の同友会賀詞交歓会の際に、新潟支部の熊谷さん(アイウッド㈱)とお話をした際、障がい者雇用についてお聞きし、そこからあっという間に雇用人数が増えていきました。

 雇用にあたり、社内でも「どんな人を雇用するのか、どんなことをしてもらうのか」といった勉強会のようなものも行い、受け入れる側の準備や、具体的な人材の生かし方を計画した上で、規模を大きくしてきています。仕事内容によっては、誰かが見ている必要がある事もありますが、仕事の質という点で見ても、彼らも大切なスタッフであり大事な戦力です。

 また、当社の一番の強みは、「社内全体の風通しがよく、仲がいい」というところです。事情があって退職した元社員がたまに遊びに来るなど、社内の雰囲気はいいと思っています。しかし、離職率はなかなか下がってきません。そこを改善するためには、労働環境を改革していかなければいけないと思っています。

 この私達のサービス業を主体とした業界は、一番働き方改革を取り入れにくい業界です。今少しずつ、疑似的なフレックス制の取入れ等を始めました。正直なところ、人員不足の中で実施するのは難しい部分もありますが、それでもこの導入は遅すぎる位だと思っています。育てた人材を守る為にも、働きやすい職場と雰囲気づくりを心掛け、時代に合わせた取り組みを今後も行っていきたいと思っています。

 今年は、グループ全体で「感謝とやさしさ」をテーマにし、内外でありがとうの実践に挑戦して参ります。

【株式会社安武商事 常務取締役 長谷川 剛史 (下越南支部)記】


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〒959-1821 五泉市赤海1074‐1
Tel. 0250-42-1212
Fax. 0250-43-2400
◎事業内容
ホテル・結婚式場・レストラン