特集:輝く!新潟企業家[2019年9月号]

㈲浦島 東館支配人 須藤 誠(佐渡支部)

時を忘れて安らげる場所を目指して

須藤 誠(佐渡支部)
㈲浦島 東館支配人

旅館「浦島」の成り立ちと私の繋がり

 新潟県佐渡市の佐和田地区、窪田にある旅館浦島は、創業40年を迎える旅館です。浦島のルーツは、祖父が営んでいた魚屋にあります。その後、父の由彦と叔父にあたる史彦が旅館業を始め、現在の旅館浦島が誕生しました。

 私は「旅館浦島」の3代目に当たり、現在は浦島東館の支配人としてホテルとレストランを任されています。「浦島」の名前は「竜宮城を訪れた浦島太郎のように、お料理とおもてなしで、時を忘れておくつろぎいただきたい」という想いに由来します。

越の松原 自然と現代建築の融合をイメージしてデザインされた東館では、穏やかな真野湾と佐渡の景勝「越の松原」を一望できます。光と風と波をイメージしてデザインされた南館では、ガラスブロックから漏れる光の壁が、さわやかで心地よい空気感をもたらすリゾート気分を演出します。

 今でこそ、家業に入り、旅館浦島の東館支配人という立場に立っていますが、実は大学に入るまでは旅館業の仕事を継ぐつもりは全くありませんでした。大学へ進学し、商学部に入りビジネスを学ぶにつれ、机上の空論ではなく実際に仕事をして信頼を積み重ねてきた両親・祖父母に興味と尊敬の念を抱いたのです。さらに東京で暮らしていると、地元、佐渡島が食材的にも歴史・文化的にも様々な資源に恵まれた稀有な島であることにも気づかされました。佐渡を出て、外の環境で過ごしているうちに、佐渡で働くことに強い魅力を感じました。

 こうして私は大学の頃に現在の家業を継ぐことを決め、大学4年の頃には週4を佐渡、週3を東京で既に働き始め、卒業と同時に佐渡に帰郷し、現在の仕事を始めました。

好きな言葉と祖父の遺言

 私には好きな言葉があります。『真剣にやれば知恵が出る』という言葉です。入社直後の私は、周りの社員からは中々認めてもらえませんでした。それが悔しくて、認められることが出来ればと、朝から晩まで必死に働きました。その言葉を信じ、自分なりの工夫を続け、新たな知恵を身に着けながら現在まで歩んできました。

 浦島という家業の基礎を作った私の祖父が、亡くなる直前に残した遺言は「家族みんなで仲良く」という言葉です。有限会社浦島には、私以外にも兄弟、従妹が働いています。他の兄弟は、旅館業に直結する専門知識を学んできた中で、私だけが経営の大学を卒業したものの、専門的な知識はありません。それぞれが長所を生かし、それぞれの分野で浦島に関わっています。父や叔父に始まり、私たち兄弟が協力しながら浦島を続けていくことが出来ているのは、この言葉があるからです。

旅館浦島

同友会との出会い

 経営者は孤独です。そんな中で、同友会は従業員には明かせない悩みも同じ経営者としてお話しできます。まだまだ未熟者な私ですが、同友会の皆様から色々と勉強させていただき、それが経営にもつながっております。2019年7月には佐渡支部と新潟支部の合同例会の際に、初めて報告者をさせていただきました。自身の報告をまとめるうえで、改めて自分の人生の資産を棚卸しし、人生を見つめ直す良い機会となりました。

浦島の未来と目指す形

佐渡産の餌で育てる黒豚 現在、浦島は旅館業にとどまらず、「佐渡と浦島の新たな形」を目指しています。観光業、バス事業の他、旅館で使用する食品を浦島の手で作り、提供するための農場、佐渡産の餌で育てる黒豚の養豚事業、その他にも水産加工業と事業を拡大しています。

 浦島の由来通り、「時を忘れて安らげる場所を目指して」今後も、若者が希望を持って戻って来たいと思える島に一歩でも近づけるよう努力してまいります。

 日本全国、世界各国から、この浦島を楽しむためにお客様が訪れてくださる。これをありがたく思い、これからもこの仕事を続けてゆきたいと考えています。

【㈲浦島 須藤 誠(佐渡支部)記】


有限会社 浦島有限会社 浦島

〒952-1325 佐渡市久保田978-3
Tel. 0259-57-3751
Fax. 0259-57-3762
◎事業内容
観光業(宿泊業・飲食業・旅行業)養豚業・水産加工業


浦島の年間イベント情報

●9月13日(金)
観月会(月見をしながら佐渡の日本酒を楽しむ会)
●10月27日(日)
浦島囲碁大会
●10月29日(火)〜31日(木)
ハロウィンディナー
●11月22日(金)
ボジョレーヌーボーを楽しもうじゃない会
●12月20(金)〜25日(水)
クリスマスディナー

ぜひ、イベントの時期のご旅行にご検討ください。