特集:輝く!新潟企業家[2019年3月号]

対談:経営労働委員長 野口 晃×女性部会長 関原英里子

「何のために」を学び、確立できるのが同友会での経営指針づくり

経営労働委員長 野口 晃(新発田支部)
㈱Re-size. 代表取締役
(業務内容:住宅・店舗の設計施工・リフォーム、リノベーション、木工品製造)

経営指針をつくることで、会社運営の様々な問題に対応できる力が身につく

女性部会長 関原英里子(上越支部)
㈲京美容室 代表取締役
(業務内容:美容室、エステ、ブライダル美容)


 2019年1月19日、経営労働委員会が行う【経営指針成文化と実践の会】と女性部会が行う【経営指針基礎セミナー】の合同発表会が行われました。本特集では、経営労働委員長の野口晃氏(㈱Re-size.代表取締役)と女性部会長の関原英里子氏(㈲京美容室 代表取締役)に、「2つの組織の活動の違いは何なのか、そもそも同友会がなぜ経営指針の成文化を進めているのか」というテーマについて、それぞれの考えをお話ししていただきました。

①【経営指針成文化と実践の会】と【経営指針基礎セミナー】の違い、それぞれの役割

(それぞれ以下、「実践の会」・「基礎セミナー」)

野口氏

 まず、どちらも「経営指針書を作成し、それを実践する」という目的は同じだと思います。基礎セミナーが開催されるまで、新潟同友会では経営指針を作成する道筋は1本しかありませんでした。道筋が2本になったことで、様々なアプローチで経営指針書が作れる場面が増えてきたのではないかと思っています。

関原氏

 女性部会の行う基礎セミナーは、「経営指針成文化と実践の会に参加したいが、宿泊や土日の時間が取れない」という方向けの指針書作成セミナーとして2015年に始まりました。2020年に新潟で開催する同友会全国行事の第23回女性経営者全国交流会に向け、新潟の女性経営者の指針成文化率アップを目的として開催しましたが、2回3回と行うようになり、男性経営者も参加してくださるようになりました。

野口氏

 実践の会では、テキストをもとに、時間をかけて「理念」「10年ビジョン」「方針」「計画」をより明確で具体的にした指針書づくりを行い、また、成文化の過程には社員さんに関わっていただく部分もあり、自社を確実に実践へと向かわせることが出来るようになります。また、次年度からはサポーターとしてその年の受講生の指針つくりに携わることにより、自社の指針書をより客観的に見直すことが出来ます。

関原氏

 基礎セミナーの実践の会と異なる部分は、受講し指針をつくり上げ、次年度も受講する方が多いというところです。1年を通し、「作成→実践→見直し→作成」という循環が出来、常に自社の状況を見つめなおすことが出来ます。

②なぜ経営指針書を同友会でつくるのか

野口氏

 同友会では多くの先輩経営者が経営指針書を作成し実践しています。そこには、多くの失敗談があり、経営指針が今のわが社にどう関わっているのかという実践経験を、自社に置き換えて学ぶことが出来るからです。

関原氏

 同友会の全国大会に参加すると、全国の先輩経営者から「経営指針はつくったか?」と聞かれます。私自身、経営指針を創る会(経営指針成文化と実践の会の前身)で経営指針書の成文化をしたことが、様々なことが起こる経営に対応できる今の自分を作り上げたのだと思います。

野口氏

 「どうやって」というテクニックを学ぶ場は、他にもたくさんあると思います。「何のために」を学び、確立できるのが同友会での経営指針づくりだと思います。経営をしていれば、「どうやって」はその時々によって変化していきます。しかし、「何のために」という根幹はある意味、普遍的なものではないでしょうか。

関原氏

 同友会が掲げる3つの目的の一つ「いい経営者をめざす」ためには、この指針書の成文化は必要なものです。

③委員長・部会長としてみる「受講を進めるうちの受講生の変化」について

関原氏

 受講をきっかけに法人化をした方、社員を雇用した方、赤字から黒字化した方、社長の二の腕となる自身の立場が明確になったという方等、それぞれがステップアップしていると思います。もちろん、改めて「社長としての役割」が明確になってくることが受講をすることで見える一番の変化かと思います。

野口氏

 受講される方を客観的に見て、回数を重ねるうちに全員が変化しているように見えます。一番大事なのは、「自分自身の納得感や違和感のようなものに気づき、どう変わるのか、または変わらないのかを決め実践すること」だと思っています。「変わらないと決めること」も実践に向かう過程は変化であることに間違いないのではないでしょうか。

④受講を終え、サポーターとして・2回目3回目の受講生として学べることとは

野口氏

 実践の会では、受講生として参加している間は経営指針書を成文化することに精一杯だと思います。経営指針書をもとに経営を実践することは、必ずうまくいくことばかりではありません。サポーターとして、その年の受講生の指針成文化に関わり続けることで、自社の経営に置き換え、実践を良い方向へ修正することが必要ではないかと思います。

関原氏

 複数回参加することでその度に初心に帰り、自身の経営を見つめ直すことが出来ます。自分とは違う経営環境の方のお話を聞くことはとても勉強になります。例えば、従業員を抱える企業は、社長一人で経営をしている企業から、従業員がいない分全ての業務を行う大変さ、従業員がいないからこそしっかりと経営をしなくてはならないという話を聞いて自社に置き換えて考えられること。ベテラン経営者が、若い経営者の新しい考え方を学べること。そういったことを、深く聞く・知ることが出来る場です。

⑤委員会・部会としての今後の活動展望

関原氏

 女性部会では、設立当初より企業訪問例会を行っており、今後はより「参加しやすい例会」を意識して行っていこうと思っています。2018年度、基礎セミナーはできるだけ多くの受講生が集まれるように、新潟会場と柏崎会場での開催をすることが出来ました。来年度も、全県地域からのご参加をお待ちしています。

野口氏

 経営労働委員会は多くの方へ経営指針の成文化を進めてもらうため、2017年度から、「各支部それぞれが経営指針成文化と実践の会を開催し、実践する」という方針を掲げています。2018年度は全6講のうち1講を同日2ブロック開催を行うことが出来ました。2019年度はもう少し支部のエリアを意識したブロックを明確にし、開催方法も変えていく予定でいます。運営面を見直し、多くの皆さんが受講できる体制を整えていきます。「距離」や「時間」を理由に受講を断念するということがなくなるよう、計画を進めていきます。

関原氏

 新潟同友会では、2020年に新潟の地で開催する、同友会全国行事「女性経営者全国交流会」の準備を進めています。新潟同友会全体で一つになり、第23回女全交in新潟を成功させるとともに、全国から集まる多くの経営者との学びの場に向け、ぜひ実践の会・基礎セミナーに参加し、自身と自社を見つめ直してみてください。