特集:輝く!新潟企業家[2018年12月号]

アイビーリサーチ㈱ 代表取締役 藤澤  正人(柏崎支部)

特許を舞台に柏崎から世界へ!

藤澤 正人(柏崎支部)
アイビーリサーチ㈱ 代表取締役

アイビーリサーチとは

 外資系企業のサラリーマン時代に、ある弁理士との出会いがきっかけで、特許の勉強を始めました。その頃、特許の仕事はほとんど東京が中心でしたが、地方の企業も特許を知らなければ、新製品を作っても大損してしまうと思い、平成5年、特許調査を生業とした「アイビーリサーチ」を設立しました。

ターニングポイント

 設立から6年目(平成10年)、ようやく黒字経営になった頃のことです。仕事柄、契約場面に数多く顔を出していましたので、いろんな場面のひな型を作ったら売れるのではとの思いから、ビジネスから男女関係まで、幅広い契約書ひな型を全100種類ほど作り、顧問弁護士に添削してもらって、自社のホームページ上で「契約書で困ったら読んで見て」というタイトルでネットPRをすることにしました。

 当初は売るノウハウもなく、注文ページも作っていなかったので、全然注文は無かったのですが、ふとした時にアクセス数をみたら、1日に何と3000件ものアクセスがあったのです。自分でも何でか分からず、原因を探っていると、当時の一般的なホームページは文字なども画像化していたので、キーワード検索では引っ掛からない中、当社のホームページはテキスト形式で掲載していたので、異常にヒットしていたことが分かったのです。「これだ!これを上手く使えれば!」と思い、プロバイダーに相談してホームページを校正しなおし、内容も買いたくなるような訴求表現にしたところ、なんとそれ以降(平成15~16年)、ひな型だけで月間100万円以上の売上となったのです。

 これをきっかけに第2弾として、特許調査で培った知識を活かし、大手企業や特許事務所をターゲットとした特許業務ソフトを開発しました。リリース前でしたが工業系の新聞社に持ち込んだところ、なんと有り難いことに全国紙に掲載してくれ、有りえないほどのオファーを頂き、ポテンヒットとなったのです。

201812feature2.jpg そんなホクホク状態がある程度続いたため、私自身、この状態が永く続くという錯覚をしてしまいました。競合が増えてきたことも、ニーズが多様化してきたことも、何ら察知せず、ほったらかしでただ喜んでいました。当然に売上がある時点から見る見る内に下がって行きました。ホントに馬鹿でした。

第二のターニングポイント

 その後、猛省して何とかV字回復してきましたが、やはり経営は上手いことは長続きせず、ある韓国代理人のミスから、年間1000万円強の大口顧客を失い、大ダメージを受けました。私自身の給料カット、銀行借入、クレジットローン、支払延期相談、納税分納等色々な策を講じ、どうにかこうにか人員カットせずに乗り切りました。

 しかしその1年後にまた、追い討ちを掛ける様に、柏崎市内の某大手企業が、リーマンショックのためか撤退し、ここでも年間1000万円の売上減。さらにまたその1年後、別の大口顧客では、ある特許事件がきっかけで開発を縮小するということになり、ここも年間1000万円あった売上が数か月でゼロになったのです。たった3~4年でトータル3000万円の売上減。生業だった特許調査の売上が、ピークの1/2まで落ち込みました。

 正に〝破綻〟の2文字が、走馬灯のようになって出て来ました。何とかせねばと焦っても、急に新規客は獲得できるものではありません。結局、経費ばかり嵩んでいったのですが、ただ天(?)は見捨ててなかった。少しずつですが実績が出てきた特許業務ソフトが、窮地を救ってくれるのです。

 しかし、一筋縄ではありませんでした。機能開発してお客様のところへ持って行くと駄目出しをもらい、また作っては持って行って駄目出しをもらう・・・、こんな無限ループみたいなサイクルを、何度も何度も何度も繰り返している中、超大手企業の知的財産部の部長から直々に連絡が入り、非常に高い評価を頂いただけでなく、契約している複数の大手特許事務所を紹介してもらったのです。

 中でも日本一の特許事務所を紹介して頂いたのが、第2のターニングポイントとなり、そこから大きく火が付き、特許事務所だけでなく大手企業からもオファーを頂くようになりました。

同友会と7・21事件

 私が同友会に入会したのは平成9年。当時、従業員の定職率が悪く、社内はぐちゃぐちゃになっていました。どうしたら人財が来てくれて、育成、定着に結びつけることが出来るのか、経営指針作成部会(現在は経営指針成文化と実践の会)を、藁をもすがる思いで受講しました。

 その指針と共に、今の私に繋がっているのが「7・21事件」です。忘れもしない2006年7月21日。その日、社員から話があると言われ、皆がいる事務室へ向かいました。二度目の結婚直後だったので、「お祝いしてくれるんかな」と内心ワクワクしながら部屋に入ってみると、重苦しい雰囲気。開口一番、「社長、この領収書は一体何ですか?」。数枚の領収書が机の上に置かれ、全員から質問攻めに会いました。

201812feature3.jpg 「何だコイツら、俺に直訴か!」と思いながら、一つ一つ理由を説明しました。社員の一人からは、「士気が下がります。」とも言われました。上司と部下の信頼がグラグラと崩れた瞬間でした。でもそれをきっかけに、社員のことを深く考えるようになり、「社員を育てる前に、自分が成長しないといけない」と心底思いました。

これからの「アイビーリサーチ」

 日本の特許出願の件数は、残念ながら伸び悩んでいます。そんな中、お隣りの中国は、日本の7~8倍も出願件数が伸びており、2020年までこの勢いが衰えない状況にあるとのこと。だったら日本で培った技術を中国に持って行って、一か八か、社運を掛けて見ようと考えました。

 4年前、東京で知り合った中国弁理士の案内で、中国進出(中国特許事務所との直取引)を果たしました。法律は日本に近い部分がありますが、文化・習慣などの違いから、当初から非常に苦戦しました。

 中国は今、ICT(情報通信技術)のインフラ革新が目覚ましく、しかも膨大な数の企業が毎年生まれているため、東アジア随一のマーケットになっています。幸いなことに、当社と競合する類似品は未だ確認されていません。ですが、昔の過ちを犯さないよう、定期的に現地に足を運び、並行して他社情報も収集しながら、着実に売上を伸ばして行こうと思っています。

 嬉しいことに中国のお客様が、韓国の企業にもPRしてくれて、韓国でも口コミが出そうな状況になっています。でもその先は、やはりアメリカ進出ですね・・・。わが社の経営理念は「人類と宇宙が舞台!わが社は次世代文化の創生企業!」ですから。

【アイビーリサーチ㈱ 代表取締役 藤澤正人 (柏崎支部)記】


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アイビーリサーチ㈱

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◎事業内容
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