特集:輝く!新潟企業家[2018年10月号]

本間 じゅん(佐渡支部)スナックアリス 代表

「島と生きる私」~ママの限界突破~

本間 じゅん(佐渡支部)
スナックアリス 代表

今の私

 現在私は、五つの民間団体に所属しています。会費だけ払って名ばかりの所属ではなく、できる限り参加し、運営にも積極的に携わっています。その中で数えきれない事業に取り組んできました。飲食店を繋ぐハシゴ酒イベントとハロウィンナイトでのカボチャ馬車製作、子ども職業体験、佐渡の小学校・高校での職業講話、佐渡全島の小学生へ下敷き製作、小学生への意識調査のためのイベント「迷宮の黄金島」・・・どれもこれも私が特に力を入れ取り組んできたイベント事業です。その他多数ありますが、参加してきた全ての事業を書き出したらきりがありません。

 忘れないように話しますが、私の仕事はスナックのママであり、ホステスです。私が仕事をしていられるのは、もちろん一緒に働いてくれるスタッフ、お店に来店してくれるお客様のお陰です。しかし、その根底には地域の安定があるからこそだと思っています。その地域のこれからを、私たちが支えていかなければいけないと思っています。

生い立ち

 1981年6月13日生まれ。サラリーマンの父とレジ打ちのパートをしていた母のもとに三女として生まれます。私が1歳の時、母の姉である私の叔母がお店をやめるとのことで母のもとにお店を継がないかと話がありました。当時パートしかしてなかった母は躊躇したらしいですが、父の後押しでお店を継ぐことになったそうです。

 私が高校を卒業する時、当時興味があった介護士と美容師で進路を迷っていました。そんな時に、母と姉に「1年間アリスでバイトしてお金でも貯めて進路を考えれば?」と言われ、高校を卒業してすぐにお店に勤めることになりました。ただのバイト感覚で入店した私ですが気づけば5年経っていました。いつしか私の中でもやもやした想いが溜まってきていました。

 ある時、海外旅行へ行く機会がありました。その時、想像を絶する世界が海外には広がっていました。それ以来、海外旅行が忘れられず、一年後には留学を決意しました。知り合いもいない、言葉も全く喋れない私が、カナダのバンクーバーへ飛び出します。そこは全てが目新しく、全てにワクワクがあり、英語も喋れないくせに、ホームシックになることもなく、留学生活を楽しんでいました。

覚悟と勘違い

 留学してから2年が経つころ、父の容体が悪いことを聞かされます。実はカナダへ行くことを決めた時、父の食道癌がわかりました。海外へ行くのをやめるべきか悩みましたが、父の回復を信じて、カナダへ飛び立ちました。しかしどうやら再発しているようだと、母から連絡を受けます。帰国後半年で父が他界しました。51歳でした。

 その時に私がお店を守っていかなければ!という想いになり、それからお店を任される日が多くなっていき、経営者としての自覚が生まれ始めました。

 自覚はするのですが、大きな失敗もしました。母に長年ついてきた年上のスタッフに対してキツく注意をしたことがきっかけで、それ以来そのスタッフはお店に来なくなりました。罪の意識を感じた私は連絡をして謝罪しましたが、そこで言われた一言は、「私はじゅんちゃんではなく、ママだからお店で働きたいと思った。」と。そうです、そのスタッフの言う通りなんです。

スナックアリス 注意した内容は私のほうが正論で正しかったとは思います。しかし、相手の立場になって考えてあげることはできていませんでした。当時の私は、スタッフに対して、「働かせてあげている。」と思っていました。今思えばある意味すごいな~とは思います(笑)。

同友会との出会い

 その後、2013年に正式に経営者になります。母はというと、念願だった居酒屋を近くで開店させます。今まで「じゅんちゃん」と呼んでいたスタッフやお客さんが、私を「ママ」と呼び始めます。皆からお尻を叩かれ、背中を押されているようでした。この時、本当に皆に支えられているんだなと、心から感謝の気持ちが生まれました。そして何があっても皆を支えていきたいと思いました。

 そんな経営者1年目の時です。新潟県中小企業家同友会の佐渡支部が設立するということでお誘い頂き、経営者になったばかりの私は断ることもできず入会しました。どんな会なのか、誰がいるのか、全く何がなんだかわからないままの入会でした。しかし、行動派な性分の私ですから、入ったからには呼ばれるところへ参加しようと思い、積極的に参加するようになりました。それから多くの事を学び、多くの方に出会い、経営者としての学びや気づきについて知りました。

覚醒

 実は、私は経営者3年目の時に離婚をしました。娘も一人います。離婚をしたことで、娘の笑顔を奪ってしまったことに当時は気付けずにいました。離婚によって無関係な娘をこんなにも悲しませてしまうのだと思い知らされました。

ハロウィンナイト そこから一人でも多くの子ども達の笑顔が見たくて、冒頭でもお伝えしている現在の私がいます。「スナックのママが地域貢献?お店に毎日出るべきだろ!」なんてお叱りも多々受けます。どれもこれも私を想ってくれている言葉であり、ありがたく受け止めています。しかし、信頼するスタッフがお店にはいます。だから私のパワーを少しだけ佐渡の未来を担う子供達のために、そして地域を支えてくれている全ての方のために使いたいのです。

最後に

 佐渡のこれからに必要な事は、地域が豊かになることです。そうならなければ明るい未来はないのではないでしょうか。周囲を見渡す力を持ってこそ、自店の繁栄があると思っています。

 いつでも必ず私が心がけるのは、笑うこと!明るい未来が待っているのだよと、笑顔でみんなを導いていけるよう心がけています。今、このように自分自身を見つめ直す事ができているのも、同友会に入り、多くの方に出会って刺激を受けたからだと感謝しています。

【スナックアリス 代表 本間じゅん(佐渡支部)記】


スナックアリス

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〒952-1315 佐渡市河原田諏訪町203-6
E-mail keepgoing_with_mysweety@yahoo.co.jp
◎事業内容
飲食業