特集:輝く!新潟企業家[2018年8月号]

㈱NODA 代表取締役 古川 敦義、吉川不動産㈱ 代表取締役 吉川 芳邦

私達が目指すべきよい会社とは? よい経営者とは? よい経営環境とは? 今一度考えてみよう。

 新潟県中小企業家同友会は、2018年度を新体制で迎えました。今号では、両代表理事の吉川芳邦氏・古川敦義氏に、「同友会が提唱する3つの目的」についてそれぞれの立場から例を挙げてもらい、話していただきます。目指すべきよい会社とは?よい経営者とは?よい経営環境とは?今一度考えてみましょう。

【よい会社・よい経営者を目指す】とは 経営指針とは?それに基づく会社とは

古川 敦義

㈱NODA 代表取締役
新潟県中小企業家同友会 代表理事

 問屋業から脱皮しようと、コンサル活動に挑戦している弊社。しかし、この数年は厳しい状況が続いています。従来型対応の売上は減少し、それを補うまでの売上改善が足りず、新しい取り組みと過去との間で、もがいているのが実情です。ただ、それに取り組む若手社員が、楽しそうに働いているのは有難い事です。弊社にとって美容室は、お客様でもあり、売上目標を共に追い掛けるパートナーでもあります。その達成の為に、様々な取り組みを一緒に考え行動するのが面白く、今それに「やりがい」を感じているからだと思います。だから、この方針をやり抜きたいと思っています。

古川 敦義 それまで理念も何も無かった弊社は、15年前同友会で指針書を作りましたが、2年間は机の中で眠っていました。そんな時に、平成16年7・13水害で被災した事が、今となって運が良かったと思えることです。復興の中、本当に社員を守り、ずっと一緒に頑張りたい、その気持ちが湧き上がり、その想いが再度指針書に目を向かわせ、そこに書いた事は本当だったのか?本気だったのか?自問し、改めてその指針書を前面に打ち出し、取り組んでいく覚悟が定まりました。成文化していたから、それを確かめる事ができ、自分で作った指針書に救われたのです。そこから毎年作り直し、現在の事業方針の変化へと進んで行きました。

 指針書の意味は、2018年から掲載されているビジネス誌「プレジデント」にも書かれています。中同協の鋤柄前会長は「日々の経営は困難の連続。古い水道管を修理する様に、あちらを押さえればこちらから噴出し、こちらを直せばあちらが故障する。その繰り返し。目が回る様な日常にあって、経営者は往々にして我を失い、道を誤る。経営者だけでない、社員はなおのことだ。だから自社の進むべき道を明らかにする指針書が重要なのです。」と言っています。

 今回の働き方改革関連法案もそうですが、経営の現場には、常に矛盾が存在します。社員の働く環境や待遇を改善する事が大切なのは解りますが、経費増にもなります。でも生産性をあげてくれるのは社員ですから、厳しくても待遇を改善し、頑張って貰わなければなりません。名実共に、やりがいは必要です。職場の人間関係や社風も良くしなければ、働き続けて貰えません。中小企業にとって悩む事ばかりです。何の為に自社が在るのか定めておかないと迷います。だから、同友会で学ぶ必要があります。同友会には、色んな経営者と語り合いながら学ぶ場があります。それが同友会の役割です。そして実践をし、我々が元気になることで、新潟を元気にする!地域を支える!そういう気概を持つ「よい会社」になり、それをリードする「よい経営者」に成っていきましょう。

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【よい経営環境を目指す】とは 行政・他団体・教育機関との連携とは

吉川 芳邦

吉川不動産㈱ 代表取締役
新潟県中小企業家同友会 代表理事 

 今年度の定時総会において、「ビジョン2022」が発表され、3つの重点方針が示されました。企業づくりでは、「強くて、しなやかな、ワクワク企業」を目指し、そして地域づくりでは、「ふるさと新潟を愛し、共に働き、共に生きて」繋げると宣言しました。これは中小企業が99.8%を占め、70%の雇用を支えているという現実の中で、我々中小企業が衰退すれば、地域の暮らしが成り立たなくなるという強い危機感によるものです。

 しかし現実には、我々中小企業を取り巻く経営環境は年々厳しくなってきています。AIやIoT技術の急速な進歩、第四次産業革命の到来など、時代の変化は非常に厳しく、中小企業がこれら多くの問題にどのように対処していくのかが今問われています。人口減少・人手不足等、我々の自助努力の限界を超えた課題も多く、2030年には、企業数が半減するという予測もある中で、経営環境は今後益々厳しくなっていくことが予想されており、未来の子供たちが、より幸せを実感できる地域社会を残すことが出来なくなる恐れがあります。同友会でも、それに対応し、「働きがいのある魅力的な企業づくり」に取り組んでいますが、取り組むほどに自社の「自助努力」の限界を感じます。

吉川 芳邦 地域に人が残り、地域が活性化するには、やはり最終的には国や地方自治体の力が必要になりますが、今までのようなやり方ではなく、行政・経済団体・教育機関・市民など、多くの英知を結集し、広く連携することが必要になります。その一例が、現在同友会が提唱している中小企業振興基本条例をバックボーンとする「振興会議」です。地域の中小企業政策や産業政策への提言、あるいは多くの課題を解決するための協議によって、地域の持つ強みを最大限活用する知恵が生まれると考えています。その結果、有望な企業・産業への柔軟でかつきめ細やかな支援を継続的に実施することを可能にし、「産学連携」の進化、あるいは、地域特性をもったインバウンド対策など、新潟独自の産業政策や地域づくりにつなげていくことが出来ると考えています。そして、そのことが新規創業や新しい仕事の創出を促し、若年層の県外流出を食い止め、さらにはUIJターンの受け皿となり、人口減少の歯止めにもなると考えています。

 その実現には、教育の果たす役割も大きく、固定された職業観ではなく、もっと自由な生き方を伝えることで、新潟で暮らす子供たちを増やす効果があると思います。このような「オール新潟」の取り組みによって、地域は活性化し、多くの企業とヒトでにぎわう「ふるさと新潟」が実現する可能性が高まると思っています。

 会外のみならず、会内でも、とかく「経営と経営環境改善は別のもの」と受け止める傾向があり、無関心さを危惧しています。自社の経営と経営環境の改善は「不離一体」であり、経営環境を考えることは、自社の経営を考えることです。今後とも、しっかりとこの課題に取り組んでいきたいと考えていますので、よろしくお願いします。

㈱NODA 会社情報

株式会社 NODA 代表取締役 古川敦義

住所:〒955-0852 三条市南四日町4-12-20
TEL:0256-32-0974
業務:美容室の繁栄に貢献すること
創業:1949年6月

吉川不動産㈱ 会社情報

吉川不動産株式会社 代表取締役 吉川芳邦

住所:〒950-2004 新潟市西区平島1-5-1
TEL:025-231-3438
業務:建築物の設計・施工及び不動産の分譲・売買・仲介・賃貸管理
創業:1962年11月