特集:輝く!新潟企業家[2018年7月号]

風間  健太郎(新潟支部イースト地区)美容室 アンフィルルージュ 代表

起業した時の想いを忘れずに、 同友会での学びを実践し社員と共に成長していきます。

風間 健太郎(新潟支部イースト地区)
美容室 アンフィルルージュ 代表

生い立ち

 1978年、サラリーマンの父と美容師の母との間に生まれました。私が幼い頃、母は土日がとても忙しく、休日は父と過ごす事が多かったのを覚えています。母は、私が小学生の頃に美容室を開業したこともあり、毎日夜遅くまで働いていました。そんな母の働く姿を見ていて『大変そうな仕事だなぁ。毎日同じくらいの時間に帰ってくるサラリーマンになりたいなぁ。』などと思っていました。そして私が就職を真剣に考え始めた頃、日本はバブルが崩壊し、『手に職を身に付ければ食いっぱぐれない』という発想から専門学校ブームが訪れ、美容業界はバブル期を迎えていました。母の店は繁盛しており、『美容師は稼げるぞ!』という母の言葉がきっかけとなりこの業界に入る事を決めました。きわめて不純な動機だったと思います。

起業の経緯

 『美容師は好きでないと続けられない!』と気付いたのは、やる気なく修行を2年程続けたときのことでした。そこから私の本当の美容師人生が始まったように思います。活躍している美容師の方の本や講習・講演に参加するも、『好きになる』にはなかなか至らないまま数店舗を渡り歩きます。『自分は向いていない』と思い始めた頃、母が夜遅くまで頑張っている姿を思い出し、『ここまでやってきた事や支えられてきたことを無駄にはしたくない。勉強し直そう。』と決意しました。当時28歳、妻と3人の子供がいて給料が15万だった私は、もう1度専門学校に行き、1から勉強したいと妻に申し出ました。高額なお金と時間をかけることに、妻は少し戸惑いながらも応援し支えてくれました。

 そこで得た本気の学びが、私を変えてくれました。『美容師とは、髪結い、パーマネントウェーブ等、その技術と知識を用いて容姿を美しく変化させ、人々や社会に豊かさを与えるもの』だと。若いころには見えなかった言葉が、今までは自分自身の周りからの評価の為、他人の事を考えたフリをして自分の事しか考えていなかったと気付かせてくれました。

 それから、ありのままの自分を受け入れ、ただただ目の前のお客様のために能力を活かしていきました。そうする中で私を支持してくださる多くのお客様を担当させて頂くことが出来ました。その頃から『こんな事をしてみたい・こんな風にしてあげたい』と、様々な夢や可能性を抱くようになり、『独立し、自分の可能性に挑戦してみたい!』と思えたことが起業するきっかけとなりました。

ターニングポイント

 開業は、母・姉・妻と私に付いて来てくれた1人のスタッフとの5人でスタートすることになりました。

 半年後にスタッフが増えた頃、問題が起きるようになりました。名付けて『誰もタオルを干さない問題』です。スタッフ全員が『スタイリストでやっていきたい』と言っていて、アシスタントが誰もいなかったのです。それぞれがお客様を抱える中で、なんで私・俺がアシスタントをしないといけないの?という状態になっていました。誰かがアシスタントをやらねばお店は回りません。当時、私はみんなで協力できる仕組みをあれこれ考えたのですが、どれもうまくいきませんでした。1人のアシスタントを雇用する売上もなく、悩んだ末、『そうだ、私がアシスタントをやろう!』という結論に至りました。これが、事実上私がハサミを置くきっかけとなり、経営者の仕事を模索していく始まりになりました。

同友会入会のきっかけ

 徐々に売上も伸び、アシスタントを採用していくと、アシスタントメインの私の仕事はだんだんなくなっていきます。『経営者って一体何をしているんだろう』と思い始めた時に、取引先である㈱NODAの古川代表取締役に紹介して頂いたのが同友会でした。

 開業して半年後には、店の休憩室にスローガンのようなものを書き入れた画用紙を貼り、真似事の理念を作っていました。時が経つに連れ、店内が紙に書いた理念に強く影響を受けていると感じ、このままではマズイ・・きちんとした物を・・と本腰を入れ始めます。美容関係の勉強会に出て理念を作りました。その時はそれなりに自分で考え、しっかりとしたものができたと思っていたのですが、時間の経過と共に、本当の自分の想いがないように感じはじめ、理念に自信が持てなくなっていた時に『経営指針成文化と実践の会』を知り、『これだっ!』と思い受講しました。

受講中のエピソード

 当時の私は信念に自信を持って課題に取り組みました。自分の想いを、周りの人は様々な角度から捉えられている事を最初に知りました。自分で書いた文面は自分の解釈でしかないという気付きです。自分の伝えたい事が伝わらない歯がゆさを感じながら、第1講・第2講と徐々に本物の自分と向き合うようになっていきました。そして、(今でもそうなのですが)いい格好をしようとする自分がいる事を意識し、格好を付けていい言葉を選んでもそれが『本物』でなければ伝わらないと気付けました。

 また、仕事の悩みは職場だけにあるのではなく、家庭や夫婦関係から来ている事にも気付きました。私は夫婦の関係について上手くいっていると思っていたのですが、そうではありませんでした。実は妻には、たくさんの不満があり、私がそれに耳を傾けていなかったのだと・・。社員との関係についても全く同じでした。自分は良くしてやっていると思い込み、本当の社員の声を聞こうとしていなかったのです。

受講によって変わったこと・変わらなかったこと

美容室 アンフィルルージュ スタッフ 受講中は、様々な方々からサポートして頂きました。今まではスタッフに『支えられている』ではなく『してあげている』という気持ちだったのです。起業する時に思っていたあの想いをいつの間にか忘れていたことに気付いたのです。受講後にはたくさんの人に支えられている実感と感謝の気持ちでいっぱいになりました。経営指針を成文化するにあたって何度も何度も自分の中から出てくる言葉を書き出し、発表し、消えていく言葉と無くならない言葉を整理していく作業は大変でした。変わらない想いは残していき、変わりゆく言葉には新たな可能性を感じながら作成していきました。

受講後実践している事

 現在、机に入れっぱなしにならないように、ミーティングや会議の場では必ず指針書を出し、話し合われている内容が指針書に沿っている内容なのかを確認しています。

 まだまだ数字上の成果は出せていませんが、何かを決断する時の迷いがなくなりました。これは、経営指針成文化と実践の会から得た最大の成果です。

 そして社員に対して、心からの感謝の気持ちが持てるようになりました。『してやってる』から『してもらっている』に気付かせて頂いた、多くのサポーターの皆様に感謝いたします。本当にありがとうございました。

現在の企業の状態・乗り越えるべき壁

 起業して丸7年、社員数は14名になり今は大きな山を登っている途中だと思います。若手社員が増えていく中で、育成が最大の課題になっていること、そして、社員が成長する上で1番必要になってくるのがトップである私の成長だと思えたからこそ、同友会での学びを実践し社員と共に成長していきます。

【美容室 アンフィルルージュ 代表 風間 健太郎(新潟支部イースト地区)記】


美容室 アンフィルルージュ

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