特集:輝く!新潟企業家[2018年6月号]

河本 潤(柏崎支部)河本・海津税理士法人長岡事務所 代表社員

同友会の皆さんと切磋琢磨しながら お客様・自社・地域のためにがんばっていきたい。

河本 潤(柏崎支部)
河本・海津税理士法人長岡事務所 代表社員

私について

 私は高校までは長岡で暮らし、大学からは東京で暮らしていました。今の仕事は税理士ですが、出身学部は経済学部でも法学部でもなく工学部(笑)。さらに工学部の大学院を修了後は、某英会話学校の業務システムの構築、保守メンテなどを行うシステムエンジニアの仕事をしていました。

 勢いのある会社で、他の会社ではやっていないビジネスを展開していたこともあり、やりがいがありましたが、管理職になるにつれ、部下への対応と責任の増加により、常に睡眠時間を削り、あげくの果てには体を壊す始末でした。ちょうどその直前に家業を継がないかとの話があり、中越地震の年、31歳で東京から長岡に戻ってきました。

 そこからは全く簿記がわからないところから勉強し、ひたすら勉強に明け暮れる毎日。途中からは仕事をしながら、約7年かけて税理士試験に合格し、今の長岡事務所を開設いたしました。事務所開設当時は私、父、母の3人でしたが、おかげさまで今は身内でない正社員を3名(うち税理士1名)を雇用する体制にまで持ってくることができました。

我が社の経営方針

 さて、(他の税理士にはない特殊な経歴のせいか)私の事務所の経営方針は、

  1. (1)フィンテック(※)を最大限活用したクラウド型会計ソフトの利用の促進。
  2. (2)楽しく生き生きと働くことができ、スタッフの居場所となることができる会社を目指す。

この2点です。

※フィンテック(FinTech)とはファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)を合わせた造語。金融IT とも呼ばれる。

クラウド型会計ソフトの利用促進

 まず(1)についてですが、会計事務所の古いビジネスモデルの場合、現金出納帳、売掛帳、買掛帳など、経理事務のすべてを企業側が手書きで行い、さらには振替伝票の記入など会計事務所が会計ソフトに入力しやすいように企業側に追加で手書きの資料を作成してもらうというケースです。このビジネスモデルは悪くないのですが、このケースですと、いつまでたっても経理担当者の事務負担が軽減されず、ひどい場合には会計事務所側のみ事務負担が減るという結果となります。企業側で会計ソフトを導入するケースも多々ありますが、預金の入出金を通帳から手動でパソコン入力するケースがほとんどでした。

 それに比べ、フィンテックが流行している今の時代では、そのソフトの入力業務を軽減できるよう、例えば、東北電力からの引き落としがあれば、水道光熱費とソフトがAIで判断して、入力を自動化することができます。家賃の支払についてもいちいち支払先や勘定科目(経費等の分類)をパソコンで毎回入力せずとも、自動で行われます。さらには、預金だけでなく、クレジットカードやAmazonでの購入履歴までソフトに自動取り込みをすることが可能なので、そもそも日付、金額、支払先を入力する手間や金額の入力ミスを大幅に軽減することが可能となります。

AI会計を活用するだけで、記帳業務から解放 free

 労働人口が将来的に減少することを考えれば、少ないマンパワーで経理業務から申告まで行うことは時代の要請であり、企業側にとっても会計事務所にとっても変革の時代を迎えていると考えてよいでしょう。また、営業等の人間にしかできない業務にマンパワーを割り当てるためにも、このようなツールを最大限に活用することが、より企業を成長させる一助になると思います。

 柏崎支部のコンタワークス㈱様のケースは、まさにこのケースに該当し、経理担当者の事務負担を大幅に削減し、その空いた時間で、その担当者は営業活動に多くの時間を割くことが可能となり、大変ご好評いただいております。

 さらには会計ソフトの分野だけではなく、あらゆる分野でのクラウド型ソフトがこの2〜3年でものすごい勢いで開発されている状況です。例えば、手書きの出勤簿からスマホやICカード等を利用した出退勤ソフトを利用することにより、残業時間や有給管理の計算ミスを防ぐことができ、より少ないマンパワーで給与計算等を行うことができます(スマホのGPS機能を使えば、一度会社に戻りタイムカードを押さなくとも退勤の作業が行えます)。さらには、社会保険、雇用保険などの面倒な入社・退社手続きなどについては、安価なクラウド型ソフトを使えば、簡単に各役所への提出書類が作成でき、かつ、その書類をそのままパソコンで各役所に提出するものもあります(専門的知識やソフトの操作を覚える必要はあります)。

タブレット POS また上記のようなバックオフィス業務だけでなく、一般顧客を対象とした飲食業の販売分析や予約管理を行うための安価なクラウド型ソフトも出てきており、中小企業においても、手軽に、どのような顧客層にどのような商品が売れているか、曜日や時間帯での販売分析も含めて簡単に分析を行えます。

 弊事務所では、上記のように、バックオフィス業務の軽減や詳細な売上分析が行えるよう、会計ソフトだけでなく他のソフトの利用推進も含めてお客様にアドバイスを行い、他の税理士事務所との差別化を図りつつ、社会貢献を行っていきたいと考えております。

働きやすい職場環境の整備

 また2点目は(2)の働きやすい職場環境の整備です。平成30年1月の柏崎支部例会では「採用したい人財像は明確ですか?」「面接・採用・教育・評価に基準はありますか?」という題材で報告をさせていただきました。これは弊社の新入社員が体調不良などを理由に、長い場合には1ヶ月の半分は出勤できないという状況が発生したことがきっかけでした。そして例会では、それまでの経緯を説明しつつ、

  • ●ハローワークの求人票に自社が求める人財像がわかりやすく、かつ、明確に記入されているか
  • ●面接時、試用期間中の人事評価の基準が存在するか(もしくは明瞭であるか)

の2点について議論を行いました。

 現在そのスタッフは楽しく仕事をしているようなので安心はしていますが、女性が結婚・出産などのライフイベントが発生しても、また安心して元の職場に戻って来れるよう、運営体制を整備できるようにしたいと考えております。昨今、派遣やフリーランスで働いている人は多く、人と人との関わりが疎になりつつあるように思いますし、出産などによる長期職場離脱という問題については、企業側も働く側にとっても難しい環境となっています。このような場合においても、在宅勤務やパート職員同士が協力しながら業務を行うなどして、居心地がよく、かつ楽しく、そして継続的に仕事ができるような職場を提供できるよう、尽力していきたいと思います。

 今年は経営指針の会に参加する予定です。同友会の皆さまと切磋琢磨しながら、お客様・自社のため、そして地域経済の発展のためにがんばっていきたいと考えております。

【河本・海津税理士法人長岡事務所 河本 潤(柏崎支部)記】


河本・海津税理士法人長岡事務所

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◎事業内容
クラウド会計によるコンサル業務及び会計・税務全般