特集:輝く!新潟企業家[2018年4月号]

萩田 絢也(佐渡支部)㈱萩田換地 専務取締役

佐渡に生まれて、佐渡で生きる!

萩田 絢也(佐渡支部)
㈱萩田換地 専務取締役

将来はこの会社を継ぐ

 昭和51年、佐渡の旧佐和田町に生まれ、高校生まで佐渡で過ごしてきました。私の両親は、現在の株式会社萩田換地(創業時「萩田換地設計事務所」)を昭和56年に創業しました。そのため、小学生から高校生までは学校が終われば自宅ではなく会社に帰っており、親の背中(仕事)を見ながら過ごす毎日でした。今思えば、自然に「将来はこの会社を継ぐ」という意思が私の中で醸成されていたのだと思います。あまり記憶にはないのですが、「この会社を継ぐからね」と言っていたと両親は言っていました。真実かどうかはわかりませんが(笑)。

 その後、大学進学を機に上京。大学でも不動産の勉強をし、20歳で宅地建物取引主任者(現在の「宅地建物取引士」)の資格を取得しました。ちょうど成人式の時でもあったのですが、成人式には出ず、都内の資格学校で勉強をしていました。大学を卒業後、都内の不動産会社、不動産鑑定会社で勤務。不動産鑑定士という資格取得を目指しながら働き、充実した日々でしたが、その頃、母の体調がよくないこともあり、父が東京に来て「そろそろ帰ってこないか」という言葉がきっかけとなり、26歳の時に佐渡に帰郷しました。

不動産業から飲食業への関わり

 当社は不動産業を主とし、飲食業(フランチャイズ)も展開しています。不動産業においては島内で約1300件あまりの物件管理管理の他、開発分譲や戸建ての建築事業等、不動産に関する業務全般を扱わせていただいています。飲食業においては、ミスタードーナツ、はなまるうどん、コメダ珈琲店を県内8店舗展開しています。私が佐渡に戻った当時は、ミスタードーナツ1店舗のみの運営でしたが、はなまるうどん出店募集のダイレクトメールに社長の目が留まり、出店することになりました。

積み重ねてきた経験

 この「はなまるうどん出店」が私自身の転換点であったかもしれません。それまでは、不動産のことしか知らない状況で、飲食業のことは全くわかりませんでした。そして、はなまるうどん1店舗目の佐渡佐和田店で「人間関係と言葉の重み」でこんなにも悩むということも想像していませんでした。

 私は店舗で働くスタッフとの関係がうまくいっていませんでした。というのも「自分は経営者の立場だ」というプライド、そして「何でこんな人たちと仕事をしなければならないのだ」という、今思えば本当に情けない人間だったからです。これではお店の運営がうまくいくはずがありません。4年間赤字が続く中、モチベーションが下がったスタッフが一人また一人と辞めていきました。食材の盗難もありました。もうやめたい、もう逃げ出したい、これが本音でした。

 しかし、ある時、スタッフのみんなと話し合う機会がありました。とは言っても飲み会ですが(笑)。それまでは断り続けてきましたが、なぜかその時は参加することになったのです。ノミニケーションが良いというわけでは必ずしもありませんが、その時は、お互い腹を割って話すことができたのです。

 それからというもの、みんなと一緒に掃除をしたり、笑顔で接客したり、お客様から指摘されたことを改善したりということを地道にしていきました。決して特別なことをしたわけではありません。当たり前のことをみんなでコツコツしていっただけなのです。ただ、その中でお互いを知ることができ、信頼関係も構築できたのだと思います。

 そしてようやく、5年目でわずかではありますが単年度で黒字になりました。その後も売上、利益は堅調に推移し、11年目にしてようやく累積赤字が解消されました。また、飲食業においてはQSC(Q クオリティー(品質)、S サービス(接客)、C クリンリネス(衛生))が重要になります。はなまるうどんでは、このQSCの改善活動の指標があるのですが、当社の店舗は全国でもトップクラスの結果をおさめています。

 遠い道のりではありましたが、みんなと日々改善を繰り返す中での、学び、気づきはとても多かったです。現在は店舗数も増え、ほかの悩みも出てきてはいますが、これまで積み重ねてきた経験をもとに歩んでいきたいと思います。

同友会に入会して

 同友会に入会して5年が経ちました。入会するまでは、ほかの会社の経営者、ましてや異業種の経営者と交流するということはほとんどありませんでした。人前で話すのも苦手でしたし、人脈もほとんどありませんでした。ただ、参加することが増えていく中で多くの経営者、行政、金融機関等の方々とのつながりを確実に持つことができました。活動をしていく中で、大変なこともありますが同友会に入って素直に良かったと感じています。

 また、「同友会で得た学びを自分の会社でどう実践するかが大切」と、ある会員の方に言われてから、常に意識してリンクさせるように心がけています。会員増強にしても、仲間が増えればそれだけ気づき、学び、発想力も増える。これを自社に置き換えれば、社員が増えれば、会社に新しい風が入り、新しい発想が増え、会社を成長させていくことができる。だから、同友会活動に決して無駄はない!これが同友会の強みだと思います。

経営指針を創る会への参加

 2015年、第22期生として経営指針を創る会に参加しました。私は後継者という立場で、まだ社長にはなっていません。参加したきっかけは、これから自分はどうなるのか、どうしたらいいのかという悶々とした不安を抱えながら定時総会に参加したときに、ある会員の方に言われた、「だったら経営指針を創る会に参加すればいいよ」という言葉でした。6か月間に渡って月1回のペースで受講していくのですが、受講後の帰りの船は乗った途端に佐渡へ到着といった感じでした。それだけ内容が濃く、たくさんのことを考えさせられました。正直しんどい時もありました。

 自分のことぐらい自分が一番良くわかっているよ、なんて思っていましたが、自分のことは、自分が一番知らないんだということに気づかされました。受講中は「内容が薄い」、「冷たく感じる」、「自信がないから字数が多いんだよ」といったことを毎回言われていました。

 経営指針を創るにあたっては、まずは個人理念、つまりは自信をもって自分の心の奥底に眠る熱い想いを発することが大切です。それが原点であり、それが自分には足りないところでした。同期は6名いましたが、今でも会う時は自然と笑みが出てくるぐらい温かい仲間です。

 佐渡支部には指針を受講した会員はまだ私以外いません。一人でも多く受講していただき、会社をさらに元気にして、そして佐渡を元気にしていければと強く思っています。

現在の佐渡、これからの佐渡

 現在、佐渡島は、毎年約1000人のペースで人口減少し、2040年には4万人を切る見込みです。私が子どもの頃はこのような人口問題を耳にしたことは全くありませんでした。高校を卒業して、進学等で島外に出ていった若者が佐渡に戻りたくても働く場がないというのでは、人口減少がますます進む一方です。海あり山あり自然あり、食資源、観光資源が豊富な佐渡であれば、働く場を創り出すことだって十分可能です。にも関わらず、生かしきれていないのが現在の実態です。

人口数
2010年62,727人
2015年57,909人
2020年53,289人
2025年48,777人
2030年44,552人
2035年40,697人
2040年37,109人

出典:国立社会保障・人口問題研究所

 この人口減少に歯止めをかけるため、「この島に住んで良かった!」って誰もが思える、そんな島にできればと思います。そのためにも、一人でも多くの経営者に同友会の会員になっていただき、それぞれの会社が発展していき、若者が働く場をどんどん増やし、地域の発展に貢献できれば本望です。

【㈱萩田換地 萩田 絢也(佐渡支部)記】


㈱萩田換地

㈱萩田換地

〒952-1307 佐渡市東大通1220-7
TEL.0259-52-2351
E-mail junya@hagita-kanchi.com
◎事業内容
不動産取引、不動産管理、飲食業、建設業