特集:輝く!新潟企業家[2017年10月号]

㈱ フォークス 代表取締役社長 玉木 清さん(新潟支部ウエスト地区)

同友会に入会し経営の勉強をすることで ずっと抱いていた人生の悩みからやっと解放された!

玉木 清さん(新潟支部ウエスト地区)
㈱ フォークス 代表取締役社長

同友会に出会う前までの私

 1960年代、私の学生時代、社会は高度成長期に入り、諸矛盾が起こり始めていました。「人として・何のために・どう生きたらよいのか?」と考え、院生時代、公害問題に取り組んでいました。「住民の命を守る・地域を守る」という高い志が企業にとって重要だと思っていましたが、持病の眼病の悪化のため法曹人をあきらめて企業人を目指し、富士通㈱に入社しました。

大企業の社員時代

 大企業が躍進する高度成長期には、モーレツ社員が求められていました。24時間稼働する大容量コンピューターに合わせて、過重労働を強いられるSE。不満を言えば即左遷。企業内労働組合の現実。ブルーカラーとホワイトカラーの差別。会社の方針に忠実に従えば将来を確実に保証されている人たち。会社の方針は、何がなんでも「利潤追求」という時代です。私は、大企業に入社して『「資本の論理」と「人間らしく生きる」が葛藤した状態で、「利潤追求」に没頭できるのか?』、『人の犠牲(搾取)の上に自分の人生を築けるのか?』と悩み、働く意味を見失い、退職を決意しました。自分の足で歩く生き方を求めて故郷の新潟へ戻り、家業の会社に入社しました。

玉木商事株式会社時代

 家業の玉木商事㈱に社員として入社しました。当時の美容業界は、小さな遅れた業界でした。学歴も職歴も、権威、理屈も通用しない商売の世界でした。私は、慣れない一営業マンとして美容室を回り、裸の人間として自分はどこまで受け入れてもらえるのかへの挑戦をしていましたが、自尊心が邪魔をして苦労の連続でした。やがて、常務という役職をもらい、経営陣の中に入る事になりました。社員以上に働く事になりましたが、やりがいは大きく、常に楽しく仕事に取り組んでいました。ただ、兄との意見のくいちがいなど色々あり、当時あまり売れてない化粧品部門を渡され独立することになりました。

フォークス創業

 社員5名でスタートした会社は、売上の見通しも立たないまま、がむしゃらに働きました。まもなく社員2名加わり、計7名の社員に恵まれました。望まずして社長(経営者)になった私は、まだ「総資本」対「総労働」の時代の搾取・被搾取の考え方があり、「中小企業の経営者とはいえ、働く人たちを搾取している立場に変わりはない」という思いもあり「経営者にはなりたくない!」と思っていました。自分は夜も寝ないで働いているのに「本当に社員を搾取していると言われるのだろうか?」と葛藤のなか、経営者は搾取する立場、労働者は虐げられている立場という一般的な考え方に違和感を覚え、なにか後ろめたい気持ちで「俺は社長ではない、フォークス座の座長だ!」なんて、割り切れない気持ちで社長をしていました。

同友会に入会

 独立して8年、美容業界は狭い業界だったので、「このままではいけない、異業種の人たちから学ぶ事も大事だ」と思い、友人の紹介で何も知らず同友会に入会しました。どうゆう会なのか全くわからないまま例会に参加した私は、なじみの人もいなく心細い心境だった事を覚えています。

㈱ フォークス 外観 参加しているのはいつものメンバーらしく、みんな楽しそうに話していました。あまり話かけてくれないので新入会員には、どうも居場所がありませんでした。4,5回参加しましたが、既会員の強固な輪の中に入り込めず、欠席するようになっていきました。それから約5年間、長いスリーピングに突入しました。その期間、私と同友会をつなぎ止めてくれたのは、中同協から送られてくる「中小企業家しんぶん」でした。その記事は、私の心に響きました。5年間もの間、私と同友会をつないでいてくれたのです。

経営指針作成

 長い間スリーピングしている私に、友人が「経営指針の勉強をしませんか?」と誘ってくれました。ちょうど勉強をしたいと思っていた時だったので、「指針」の勉強会に参加しました。ところが最初の「理念」の所でつっかえてしまいました。「理念」という言葉の意味が分からなかったのです。

 今でこそ「理念」は一般的に使われていますが、当時はまだ珍しい言葉でした。ただ突っ走ってきた私には、「何のために経営するのか」を追い求める3か月間は新鮮で、苦しいながらも充実した日々でした。ただ生きるのに精一杯だった私は、経営と人生がつながっていませんでした。経営指針を作った多くの皆さんが感じるように、その時初めて「同友会」に触れられたような気がします。その後、誰も教えてくれなかった「同友会」に興味を持つようになり、書籍を読み漁りました。その歴史、その理念は、関心を持って読めば読むほど、私の心の奥底に眠っていた魂を呼び起こしてくれました。

 「良い会社・良い経営者・良い経営環境」三つの目的の表現は簡潔ですが、中身はとても深く、すべては「良い経営者」即ち「良い人間」「良い生き方」から発していて、「良い会社」も「良い経営環境」も経営者の人間としての生き様が問われているのです。「人間らしく生きる」とはなんなのか。若い時から追い求めて、忘れかけていた課題が呼び起こされました。その後、私は同友会運動に積極的に関わることとなりました。

「労使見解」との出会い

 同友会の勉強をしている時、「労使見解」の文章に出会い、同友会の先見性に驚かされました。「総労働・総資本」の考え方が主流の時代に、中小企業は労使対立ではなく、労使は共に歩むパートナー。「労使は対等」という労使見解は、画期的なものであり、私に大きな力を与えてくれました。経営者は、働く人たちから搾取しているのではないかと、自己矛盾に悩んでいた私にとって、すばらしい発見でした。以前から疑問に思っていた労使関係に答えを見つけ、自信を持って経営にあたることができるようになったことは、大きな収穫でした。

すべては「自分」

 わが社の社員との信頼関係づくりは結論からいうと、失敗の連続でした。創業当時の社員に対する考え方は、社員は仲間、共に働く大事な仲間。会社では、おたがい協力し合う事を求めるが、プライベートでは干渉しない。それが尊重する事だと思っていました。この考え方の為か、社員とは人間的なつながりというよりも、仕事上でのつながりが強くなっていました。それでも会社が順調だったので、さしたる問題もなくやってこられました。

 頭で分かっていてもそれだけではダメ、思いやりや優しさは理解してもらえなければ、伝わらない。愛情は伝わらなければ意味がない。お互いが理解し合うには普段からの温かい人間的なふれあいをし、共に生きる意味や働く意味を語る場を持って互いに高め合う努力をする。社員の自主性を尊重し、生きがい、やりがいを共有する。人間としての生き方を学び合い人生観を共有する。

 これらの事がとても大切だと気付き、わが社では、「人間力」の勉強会を始めました。自分が変わらなければ何も変わりません。すべては「自分」・・・人生どう生きるか、たった一度の人生、悔いのない生き方、生き様を考えましょう。

【㈱ フォークス 代表取締役社長 玉木 清(新潟支部ウエスト地区)記】


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美容用品・薬剤・器具・器材の卸売、ケアプラン作成事業、ヘルパー派遣事業