特集:輝く!新潟企業家[2017年8月号]

㈱給材 代表取締役 宮崎 伸洋さん(新潟支部サウス地区)

お客様や地域から必要とされる会社になるために社員と共に考えていきたいー。

宮崎 伸洋さん(新潟支部サウス地区)
㈱給材 代表取締役

会社概要と生い立ち

 昭和43年に父が「新潟給材」を設立、学校給食の食材を扱う問屋を母と創めました。私は昭和42年12月生まれ現在49歳。高校卒業後「新潟給材」へ就職。何故か小さいころから家業を継ぎたいと思っていました。決して経営環境は良くなかったと思います。自宅の一階が会社で、子供の頃から父母と社員の働いている環境で高校卒業まで生活していました。仕事は父母共に朝早くから夜遅くまで一生懸命に働き、私たちを育ててくれたのだと思います。その当時社員4名と父母の計46名の会社でした。学校給食の仕事って今から思えば凄い仕事でしたね。夏休み冬休み春休み実質の業務日は年間185日位の仕事で会社が成り立っていたと思うと・・・。確かに今よりは子供も多かったから成り立っていたのでしょうか?人口ピラミッドデータだと、30年前と今では新潟市で42%、新潟県全体だと約50%も子供が減少しているのです。確かに日々の仕事は忙しかったと思うのですが今とは環境が違いすぎます。私が入社した頃、時代はバブル。しかし、まったく恩恵はありませんでした。その事も今思えば良かったかと思います。

新潟の学校給食事情と取り組み

 新潟は全国有数に給食専門業者が多いのです。という事は必然的に競争も激しくなるわけで、昔も今も日本有数の入札価格激戦地なのです。なんせ毎月公開入札ですから、そりゃ価格は下落一直線です。他の業界ではどうなのか?業者間で話し合い価格調整なんて事は一切ありません。粗利3%なんて事も多々あり10%粗利がとれると良かったとか思っておかしくない業界です。働く環境も最悪でした。と言うか、今でもそんな感じです。

 そんな中、これではヤバイと思い始め何とかしなくてはと考え始めたのは、入社後3年目位だと思います。同業他社とは違う事(商品)をしなくては、お客様から必要とされる会社にならなくてはを考え新たな取組みを始めました。

201708feature2.jpg 「学校給食=安心安全」をテーマに取扱商品をNB品から、こだわり商品に少しずつシフトしていきました。また自社企画の商品を造ってもらったりと価格決定権を持てる商品を増やし、現在に至っています。

 具体的にどのような商品を取り扱ったかですが、
◎ソース(合成添加物、化学調味料不使用、無農薬有機栽培野菜使用)
◎たまご(着色剤入り配合飼料不使用、オールインオールアウト飼育)
◎魚肉練り製品、畜肉練り製品(合成添加物、化学調味料不使用、特にリン酸塩不使用)
などです。合成添加物化学調味料不使用は取り組みのスタートでしたが、その後「重合リン酸塩」の不使用、排除への取り組みは現在の仕事に大きく影響していると思います。「重合リン酸塩」は多くの食材に含まれています。この添加物は摂取する事によってカルシウムを体外に排出すると言われています。せっかく栄養士さんが献立を作り子供たちに食べてもらっても、こんな添加物が使われていれば机上の計算にしかなりません。そんな想いから取り扱い食品を同業とは違う路線に進め始めました。しかし、同業の方々も追随してきます。それでも良いと思っています。何故か?新たな取り組みをすでにスタートしています。そんな事を今でも続けているのです。

経営指針を創る会の受講

 5年前に経営指針を創る会を受講しました。私にとっては本当に辛く苦しかったです。何が?日々不安と挑戦を続けて何とかここまでやってきていました。社員の意見は聞かず、自分で決めた事を社員に押し付けて仕事を続けてきました。思えば社員と共にではなく、個人商店でした。そんな自分だから何が大切で何を大切にしなくてはいけないのかすら解っていなかったのだと思います。私は社長と言う立場でありながら、仕事をする上で一番大切な人はお客様と言う発想でした。今から思えばとても恥ずかしく寂しく悲しい自分でした。お客様に接しているのは自分ではない給材で働いている社員なのだと気付かされました。お客様の所へ納品に行く、営業に行く、電話対応する、その社員こそ私が一番大切にしなくてはいけないのだと、本当に沢山の気付きとこれからを共にして行く為のスタート地点を見つける事が出来ました。

 また、「給材は何屋なのか」に気付きました「学校給食の食材を扱う会社」です。私たちが扱う食材は誰を考え取り扱うのか?食材の決定権を持つ栄養士さん教育委員会ではなく、その食品を食べる子供たちを考えて仕事をしていきたいと思えるようになりました。指針を創る会の際は沢山の方にご迷惑をかけましたが、本当にありがとうございました!

新潟県中小企業家同友会での学び

 今年、同友会入会10年になりました。私は入会の誘いを1年以上断り続けていました。㈱叶味家の長嶋社長から誘われていたのですが、他の経営者との関わりや勉強という事に自信がなく断っていたのだと思います。ただ今は、本当に同友会に入って良かったと思っています。長嶋社長には本当に感謝の言葉しかありません。ありがとうございました。

 5~6年前から私の同友会での使用頻度が・・・。新潟支部長、全国総会実行委員長、副代表理事等々同友会に入ってなければ経験していなかっただろう経験を沢山させていただけている事が少しずつ社内で生かされ始めて来ているように感じています。役を受けるという事は会社を不在にする事が多くなります。以前は自分がいなくてはと思っていたことも社員に任せなくてはいけなくなります。無理と思っていたことも任せる事により、社員も成長しているように感じられます。何より自身の学び経験は財産です。

 そんな経験からか、最近県外の同友会から報告の依頼をいただくのですが、報告する事により、あらためて自身を振り返る事は大切な事と思います。自身の過去とこれからのビジョンを明確にする事が出来ると感じています。例会報告で一番得するのは報告者だと思います。

㈱給材 改修した新しい事務所

今後の給材

 学校給食の仕事をするという事は子供の減少という顧客減は避けられない現実です。現に新潟市の学校給食物資入札参加業者が毎年減少しています(3年で3社減少)。しかし、学校給食は無くならないと思います。今後高等学校の給食が始まるかもしれません。という事はお客様や地域から必要とされる会社になる事が一番大切な事です。その為にはどうしたら良いのかを、社員と共に考えて行きたいと思います。

 昨年、一昨年と学校給食業務撤退などの業務を引き継ぐ事となり業務は大きくなっています、この状況はまだ続く事と思います。

 これからは業界の「競争と協力」の関係作りを目指し、学校給食には無くてはならない会社を社員と共に創り上げていきたいと思います。

【㈱給材 宮崎 伸洋(新潟支部サウス地区)記】


㈱給材㈱給材

㈱給材

〒950-0862 新潟市東区竹尾665-1
Tel.025-274-1858
Fax.025-274-7718
◎事業内容
業務用食品卸・販売、地鶏


株式会社給材の事務所改修に際しては沢山の同友会メンバーに関わっていただきました。
◎元請 株式会社Re-size./鉄骨関係 ㈱富岡鉄工所/サッシ関係 山清トーヨー住器㈱/塗装関係 すみれ建装㈱/建具関係 アイウッド㈱/看板関係 ㈱ハーヴィッド/事務機関係 ㈱シナゼン