企業進化論〈67〉株式会社 西武商会[2020年3月号]

株式会社  西武商会

新たな挑戦を続けながら地元に必要とされる企業になりたい。

株式会社 西武商会
代表取締役 副社長:木村由美(きむらゆみ)

住所:新潟市東区竹尾卸新町752番9
TEL:025‐288‐1241
業種:遊技機器の卸販売
グループ企業:飲食業・不動産業・人材派遣業・ショートステイ看板屋
設立:平成4年7月
従業員数:約230名 ※グループ全体 (パート含む)

西武商会の道のり

 西武商会は、会長(夫)の父がやっていた鉄くず回収業にルーツがあります。会長は、父の仕事を引き継ぐため大学を中退。私も結婚後、子育てをしながら仕事を手伝い、トラックで県内各地を回ることもありました。当時は集めた鉄くずが高く売れることもあり、事業は順調に進んでいました。

 現在の遊技機器の卸販売を始めたきっかけは知人からの相談でした。その知人からパチンコ店を売りたいと相談され、土地と建物を含め、事業を買い取ることにします。借金もありましたが、店舗は繁盛し、本業と共に好調でした。しかし、景気がいい時期というのは長続きしません。少し落ち込んできた際に、ちょうどパチンコ事業を買いたいという方が現れ、その時点の収支がトントンになるということで売却しました。

 継続していた鉄くず回収業を改めて行っていましたが、価格の変動が激しいこの業界に不安を持ち始めました。パチンコ店を経営していた事もあり、全国のメーカーとのパイプを何とか活かせないかと考え、平成4年にスロットマシン、パチンコ台の卸業、西武商会を設立します。在庫をあまり抱える必要のないという観点から(資金があまりかからない)、遊技機器販売事業を始めました。

西武商会の今 設立時から一貫した「社員の経営者感覚化」

202003evolution2.jpg 西武商会は現在、関東圏を中心に4つの拠点を構えています。他に飲食業を扱う西武フーズ、不動産業・デイサービス・人材派遣等、内装工事等々グループ会社を6社運営しています。これは、西武商会を中心とした隣接異業種の発想からできたものです。

 ここまで事業をしっかりと伸ばすことができたのは、西武商会の設立時から一貫した「社員の経営者感覚化」が背景にあると思っています。特に卸販売を行う本社業務に関わる社員は、営業・事務問わず、一人ひとりに数字の管理をしてもらいます。自身の売り上げ、その仕入れ値等から逆算した粗利等、細かい数字を全員が把握することで、「利益」を意識します。営業からオーダーを頼まれる事務も、販売額・仕入れ値・販売時期などをその場で確認し、無理なオーダーにはストップをかけます。最終的には社長の元にこれらの情報が上がってきますが、関わる全員が取引の内容を理解できるため、会社の利益を会社全体で考えながら仕事をすることができています。そこにはもちろん、「粗利=利益ではない」という認識もついてきます。

 この雰囲気が根付くまで、時間はかかりましたが、一人が実践できるようになると、それを見た周りの社員も真似をするようになります。こうすることで、「見通しでの取引」で在庫を作ることなく、一人ひとりがビジネスを完結させることができる能力を身に着けることができています。また、それぞれの数字を残すことで、会社の社員への評価もしやすくなったということもプラスに働いています。

 西武商会では、新入社員に対する特別な研修は行っていません。基本的には、先輩社員が新入社員と共に仕事をすることで学んでもらい、数字のことも一緒に勉強してもらいます。

「ちいさな一流企業」を目指して誰にとっても大切な会社へ

 弊社は近年、離職率が非常に低くなってきました。特に75名ほどの営業担当者は、ほぼ退職者が出ていません。非常にありがたいことで、社員にとって会社の居心地がいいということであれば、うれしい限りです。逆に、営業部の年齢層がどんどん上がっていくことはある意味今後の課題です。(笑)

 数年前、支部例会で本間雅樹さん(有希化学㈱代表取締役 新潟支部 新潟同友会相談役)の報告の中に「小さくても一流企業。」という言葉がありました。この日の例会のことはこの言葉しか覚えていないほど私にとって色濃く残り、「大企業ではなくとも、規模は小さくても一流企業になれる。」と確信しました。今も目指し続けています。

 その直後に真っ先に取り掛かったのが、会社の働く環境改善でした。今でこそ働き方改革と各社が取り組んでいますが、当時はまだ情報が少なく、どうすればいいか悩みました。社労士さんと契約し、労働時間・有給休暇や各種手当など、決め事を一から見直し始めます。すると、問題点が山ほど出てきました。少しずつ改善し、経過を社員に聞いたところ、「うれしい」と話してくれました。環境改善が働きやすい会社になり、社員の満足度につながるんだなと感じました。

 同友会で得た学びは、自社の栄養剤のように効いています。ちいさな一流企業という言葉を通じて、経営者も従業員も共に育ち、社外からも、社内からも「一流」と呼ばれる企業を目指して一歩一歩進んでいきます。大樹のように大空に向かって・・・

社員の栄養剤になれる企業支え合う関係

202003evolution3.jpg 今年のお話ですが、グループ会社の西武フーズが運営しているコリアンダイニング「けなり」に、成人式を迎えるスタッフがいました。高校生の頃からアルバイトをしに来てくれていて、そのまま就職したいとのことで採用。キッチンで一生懸命頑張っています。そんな彼から、成人式の前に「朝一番で家に寄ってもいいですか」と連絡がありました。どうしたのかと聞いてみると、「昨年もらったボーナスで、ずっとほしかった仕事道具の包丁と、スーツを買ったので成人式の前に、一緒に写真を撮ってほしい」と言ってくれたのです。

 本当にうれしくて、舞い上がりました。同時に、社員を大事に、大切にしていかなければと強く思いました。

 私は、西武商会の社員のことが大好きです。西武商会、私たちが成長してこられたのは、周りの人に恵まれ、助けていただき、力を合わせてこれたからだと思っています。だからこそ、会社を支えてくれている社員達が、それぞれの生活に満足し、それぞれの目標を叶えられる。そのための栄養剤になれる会社に今以上に目指していきます。

【株式会社 西武商会  代表取締役 副社長  木村由美(新潟支部セントラル地区) 記】