企業進化論〈62〉カサイ自動車[2019年10月号]

カサイ自動車

工という切り札でカサイ自動車の未来を展開していきたい!

カサイ自動車
社長 笠井睦夫(かさい・むつお)

住所:佐渡市真野新町820-10
TEL:0259-55-2662
事業内容:自動車修理・販売、各種ボート・船外機、防錆処理施工
創業:1965年10月
社員数:4名

佐渡にUターン!

 地元に密着した会社を目指して、父・笠井滋が昭和40年10月15日に自動車修理・販売会社「カサイ自動車」を創業しました。当時は知人・友人を中心に多くの佐渡の方々に愛されたことで、着実に業績を伸ばしていくことが出来たと記憶しています。

 私は、地元の高校を卒業後に一度佐渡を離れ、茨城にある理工系の専門学校を平成2年に卒業。日産プリンス新潟販売へ就職しました。平成4年に父から会社を手伝うよう言われ、22歳の時に佐渡にUターンすることに。元々、「いずれは家業を継ぐ」という気持ちはありましたが、まだまだ外の空気を吸っていたかったのが本音です。今となっては、親の元気なうちに仕事を教えてもらいながら、親孝行もできたので、良かったと思っています。

親から子への継承

 家業に入って時間が流れました。父の体調が思わしくなくなったことから、平成19年、37歳の時に会社を引き継ぎました。最初の数年は父のアドバイスを受けながら事業を展開していましたが、徐々に経営者として会社を運営していきました。この数年のおかげで自覚を持って経営に取り組むことができるようになり、スムーズな継承であったと感じています。

未来に向かって!

 佐渡という地域は、かって人口12万人を誇りましたが、バブル崩壊後の国税調査以降、5年毎に5000人、すなわちここ十数年は毎年約1000人減少しています。現在は約5万4千人になっており、継承当時は順調だった会社も、佐渡の人口減少とともにお客さんがどんどん減ってきて、これは何とかしなきゃと危機感を持ち始めました。

 佐渡の高齢者人口は41・7%と日本の「最先端」となってしまっていますが、佐渡には電車もなく、公共交通機関は、多い路線で1時間に1本というバスだけです。そのため、車の運転は生活に欠かせないものになっており、高齢者であっても免許証を返納することが出来る人は非常に少ないのが現状です。

 しかし近年、高齢者の自動車運転による事故が社会問題として捉えられてきています。弊社としては、この問題を一つのチャンスと捉え、策を練っていました。高齢者によるアクセルの誤操作を回避するための部品取り付け等、色々考えましたが、各メーカーで事故防止のための仕組みが新車の標準装備になってきたので断念することになりました。

 次に目を付けたのが「塩害」です。ご存知の通り、佐渡の周りは全て海!海岸沿いの自動車は数年で錆びて買い替えなければいけないほど、海の潮風は車にダメージを与えます。また海岸沿いでなくても、アウトドアをされるユーザーは塩害に悩まされていると感じ、そのニーズは高いと思いました。

「コーティング加工」という切り札!

 一般的に自動車の塩害を防ぐためには、専用の塗料を使用するコーティング加工が効果的です。弊社の整備工場と技術を使いながら、専用の塗料の選択を行い、より強度の高い、便利なコーティング加工を目指しました。各メーカーから出ているコーティング塗料の特徴を理解し、お客様の要望に合わせて使用していきます。車の裏側の錆止めを行い、高密度な塗膜を形成することで、高い防錆効果・強度と自己修復力の特徴を持つ「スリーラスター」。超撥水が売りで、確かな耐撃性と無臭といった扱いやすさを持ち合わせた未来型コーティング剤「SCコート」など、島内では取り扱いの少なかった商品を地元の方々へ推めてきました。

実際SC塗膜したモデルとチラシ(左)

 そして現在は、国外コーティング塗料メーカーである「RAPTOR」から、新潟県内唯一の正規施工店(全国には約20店舗)契約を結びました。令和元年5月より、「ラプターライナー(強度としなやかさ、各種耐性に加え色彩も自由な塗料)」の販売を開始しました。この3つの主力塗料を切り札として、未来を展開していきたいと強く考えています。

同友会と素晴らしき仲間たち!

 私が同友会に入会したのは今から3年前のことです。ゲストとして例会に参加した際、その理念に賛同し入会することにしました。総会や例会の報告内容から学ぶこと(経営方針、経営手法等)も多いのですが、私にとっては何といってもそのメンバーとの親交がかけがえのないものだと思っています。佐渡支部の仲間たちは業種も年齢も考え方も様々ですが、その枠を超えて相談できることは素晴らしいと感じています。

同友会佐渡支部のBBQの様子 そして、同友会での活動を通じて今強く思うことは、「同友会が助けてくれるんじゃない!自分のことは自分でどげんとせんといかんぞ!」ということです。

【カサイ自動車 社長 笠井 睦夫(佐渡支部) 記】