企業進化論〈59〉株式会社 インテリア レフ[2019年7月号]

株式会社 インテリア レフ

経営指針成文化と実践の会で芽生えた小さな葉を 育てながら未来の会社を創造していきたい。

株式会社 インテリア レフ
代表取締役:阿部義秋(あべよしあき)

住所:村上市平林1285-1
TEL:0254-60-1091
FAX:0254-60-1092
事業内容:室内装飾業
創業:1994年
社員数:4名

不安を払拭するために がむしゃらに働いた日々

 私は21才の時、被写体に光を当てるレフ板のように「私たちの仕事でお客さんの生活がひかり輝くように」とインテリアレフという屋号で内装仕上げ工事業を始めました。今年で25年目となりました。

 独立しようとした当時「新年度に退社させて下さい」と社長に話したところ、「よし!わかった。明日から来るな」という突然の解雇で、しかも結婚したばかり。嫁と生まれたばかりの子供がいる中、次の日から無職になり、明日からの生活をどう食いつなぐかという不安が襲いかかってきました。

 退社する際、親方に「お前は飯を食わなくてもいいけど嫁の飯代と赤ちゃんのミルク代は稼げや」という言葉が、夢見た独立開業ではなく、不況下の中での現実となって追い打ちをかけてきました。仕事もお金も無く、お爺ちゃんに15万円を借りて食いつなぐ有様で、家族を不安にさせる毎日でした。この状況を変える為に頂ける仕事は全てやりぬこうと決意し、日曜祝日も休まず、しまいには日付が変わるまで、がむしゃらに仕事をしました。そのような状態の中での仕事でしたが、一つひとつの仕事に誠意を持ってやり遂げる姿勢に、数珠繋ぎのように仕事とお客さんを紹介して頂き、物件数と売り上げも伸びていき、職人も増員していきました。

このままでいいのか という危機感を覚えて

 しかし、息つく事を忘れて仕事にばかり専念していたお陰で心身共に不調となり、倒れることも多々ありました。それでも、仕事が無くなる恐怖心がよぎり、がむしゃらに働くことを続けなければならないと職人にも馬車馬の如く働かせる日々でした。

 そんな風潮の会社だったために一から育てた大切な職人が辞めていきました。求人倍率も低かったために求人を出せば新しい職人が入って来てくれましたが、一人前になるころには、変わらない我が社の体制にやはり辞めていくという繰り返しでした。

 自分が馬車馬の如く、がむしゃらに働いてここまできたんだという思いが強かったのか、これを続けることが一番強くて良い会社になるんだと言い聞かせて働く自分でしたが、過ぎゆく毎日の中で、忙しいだけの自分自身がだんだん嫌になっていき、精神的にも疲れて、このままでは本当に見えない何かによって全てがつぶれてしまうような危機感を覚えていきました。

「経営指針成文化と実践の会」を受講して

 2008年に同友会に入会していましたが、例会に出席して得る事柄はあるものの、日々の忙しい仕事に頭が奪われすぎて、愚痴と文句と辛さを口に出すことの連続でした。そのうちに同友会に入会していても意味がないので退会しようと思っていましたが、ただ、引っかかっていたのが、たまに耳にする指針の会でした。受講をすればもしかして何かが変わるかもしれないという想いと、現在も我が社で頑張って働いてくれている職人とこれからの会社の未来の在り方を真剣に考えるために第2期経営指針成文化と実践の会を受講することを決意しました。

今までとは違う 心のタネから何かが芽生えた

 同期受講者は7名と多かったようですが、サポーターのみなさんも受講者と同じ経営者だからこそ迷いある私たちの突きどころを丁寧にやさしく、自分の見え隠れしていたものを引っ張り出してくれる方たちでした。

 当然受講者7人には7人なりの会社の色と人生観がある中で、みなさんの想いを感じながら受講した時間とサポーターのみなさんと対峙する一日は、本当に貴重な時間でした。

㈱インテリア レフ 経営指針 そんな貴重な時間の中で受講生が真剣に自社の環境と向かい合いながら指針づくりに集中していました。それは、我が子供に名前をつける想いで考えたっていう方がいるくらい大切な事なんだと胸にグッときました。一度は投げ捨てようとした心。受講した半年間で今までとは違う心のタネから何かが芽生えました。

 世の中はそれぞれの点と点が違うスピードでスライドしながら軸が変わっていき、知らず知らずのうちに世代交代をしていくと思います。職人としてその時代に手に入れたスタイルが仕事のプライドとして付きまとっていきますが、それが新しい時代と世代に合っているかは、かなり疑問だと感じています。

 そのために今まで歩んできた事柄をゼロから一歩踏み込んだばかりと思い、ここからは一からの出直しとして、一歩一歩未来に向けて進んでいこうと思います。

新しい職人の在り方とは

 それでも、変えてはいけないことがあります。職人は本来知識と経験と技術力を兼ね備えて、それを形として魅せる仕事だと思いますが、昨今の職人は短期工程に合せて作業を終えることが仕事だと捉えられていると感じることがあります。その要因は沢山あります。そのために、新人職人さんは良い仕事より追われる仕事の中で育成されていくので、半端な技術力で一人前になったつもりになったり大切な事柄を置いてけぼりにしていきます。

 良い仕事ができる職人になるために、互いに心に余裕を持ち、時代背景に合せた指導と教育、そして笑顔!新しい職人の在り方を意識しながら未来へと進んでいこうと思います。

 当然、現状の職人としては違和感の連続だと思いますが、その違和感が当たり前になるように続けていき、今一度、原点に戻ることを恐れずに自分自身を変えて未来の我が社を創造していこうと思います。そして、人材不足の時代の中で、私たちの会社で働いてもらうためにも、建設業や職人などによく言われる3K(きつい、汚い、危険)を払拭し、それに代わる5K(きれい、かっこいい、気持ちいい、協力、感謝)を打ち出して明るく元気のある業界にし、心身共に余裕もあり、プライベートも充実して活き活きとしている職人がいる会社を目指していこうと思います。

 経営指針成文化と実践の会で芽生えた小さな葉を大きく未来の空に伸ばし、学んだ事柄を心の大地に縦と横に伸ばしてしっかりと根を張り、枯らしたり倒れたりしないようにするためにも同友会での学びを続けていこうと思います。

 そしてインテリアレフを取り巻く全ての人たちに感動と幸せを与えられる会社でありたいです。

【㈱インテリア レフ 代表取締役 阿部 義秋(村上支部)記】