企業進化論〈56〉デジタルマネージ・ ウィズエー㈱[2019年2月号]

デジタルマネージ・ウィズエー㈱

旅館の原点を守りながら今年まいた種を創業100年に向け大きな幹に育てていきたい

デジタルマネージ・ウィズエー㈱
代表取締役 横田孝宜(よこたたかよし)

住所:上越市大字石沢778番地1
Tel. 025-546-7567
Fax. 025-333-0350
事業内容:ITとデータ・各種情報を活用した事業戦略・経営管理の実務推進コンサルティング
創業:2018年
社員:1人

目指せ『サラリーマンの星』-- キライだったはずの「自分探し」 --

 上越市に生まれた私ですが、地方公務員だった父の影響から、県内は新潟(2回)・三条・柏崎・糸魚川、県外では京都・横浜・埼玉と、4年前の帰郷まで地元上越以外で長い時間生活してきました。そのため、今でも地元の人の多くが知っていることを知らない、ということがしばしばあります。

 幼少期、各地の転校先では友人もできましたが、それなりに悩み考える時期もあり、将来は哲学研究者になろうと進学します。しかし、「哲学は日々の生活で実践すること」というのが私の学生生活での答えでした。そこから一転してSE(システムエンジニア)を目指しますが、苦労して入社した会社でも早々に「方針転換」し、2ヶ月で退職してしまいます。場所も気持ちも落ち着かず、自分なりの筋を通したい想いでいたものの、実際は私自身がキライな「自分探し」の時代だったと思います。

 ところで、早々の「方針転換」の理由ですが、工学・情報系の知識経験に優れ、技術者として即戦力の実力を持った同期とは異なり、短期間従事した新卒採用と、同期のまとめ役として生かされた調整・管理力を評価されたことにありました。これがきっかけで「経営管理」という仕事の存在に気付くとともに、そこに自分が向いているのではないか?と考えたのです。

 次の会社は上場直後の会社で、社会人歴3ヶ月の「第2新卒」で入社しました。入社早々親ほど離れた年齢の人の面接を担ったかと思えば、翌年には借方貸方も知らないまま、突然経理に異動を命じられたりもしました。同僚も含めとにかく忙しい環境で、「困難を自分でクリアする力」を身につけていった反面、生真面目さからおかしなことは先輩や上司、果ては役員にまで噛みつくので、「面白い人が入ったみたいだね」と当時の社長にも知られる存在だったようです。

 3社目は、そんな物怖じしない行動力を期待されての入社でしたが、同社では経営トップの指示を直接受ける場面が多く、組織のあり方や意思決定のプロセスといった経営の理屈はもちろん、物事のタイミングや人間関係が社内外にもたらす影響も自然と学んでいきました。時には社長室で叱責を受け涙することも。また、直属の上席は自身の役員報酬明細を私に見せながら「あと10年でここまで来る気はあるか?」と期待され、暖かくも厳しい指導をいただきました。同社での在籍中は組織で「認められる」ということの意味と価値を理解する時期となりました。

「一時撤退」を超えて

 しかし、そこで思わぬ躓きがありました。がんばり過ぎで体調を崩してしまい、1年後にあっけなく退職することに。どんなに頑張って認められても、体調を崩しては意味がないことをこの時痛切に感じました。その後の数年は社会からの一時撤退を余儀なくされました。この時期の経験を通して、仕事ができる喜び、人に認めていただくことの喜びをさらに強め、復調後は「どんなに人生が順調と思えても絶対はない、だがそれでも自分自身が確かな存在でありたい」と、それまでとは異なる人生観を持つようになります。そしてその結果、「謙虚を旨としつつも、自分の責任でする仕事をしたい」と考えるようになっていきます。もちろん今から思えば大きな勘違いもあったのですが・・・。

言い訳のできない環境に身を置くこと

 北陸新幹線開業をきっかけに私は20年ぶりに帰郷し、当時はまだ珍しい個人事業として「リモートワーク」(※リモートワークとは、在籍・契約する組織のオフィスではなく、インターネットや通信回線を利用して自宅やレンタルオフィス等で業務を遂行する業務形態。)を開始しました。以前から縁のあった東京の会社の労働法規・情報セキュリティ・教育関連の原稿執筆や企業研修教材の作成を足がかりに、Webマーケティングや、データ分析、プレスリリースなど、営業・広報関連業務にも挑戦しました。

 地元では、同じく新幹線開業を見越して上越妙高駅西口にコンテナ商業施設「フルサット」を企画した北信越地域資源研究所の平原社長と同施設のオープンをきっかけに連携することとなり、かつてイメージした「トップや事業全体の補佐」という立場となり、やりがいも得ました。

201902evolution3.jpg しかし、新規事業や個人で仕事をすることは特に、当事者の意志の強さと、周囲とのバランス感覚が不可欠です。その重要さを感じ、自分が置くべき環境を問うことが日々の様々な仕事の中で増していきました。そしてこの問いが「必要とされ、認められる仕事」から、「自分でやりたい仕事(会社設立)」へと変わって行く契機となっていきます。

2年目、そして今後

 当社はこれまでの私の経験をもとに「ITとデータ・各種情報を活用した事業戦略・経営管理の実務推進コンサルティング」を事業としています。現在力を入れるのは、身近な「データ」から事業推進のヒントを見出し、その活用までサポートすること。例えば人の来訪・移動を分析する「移動状況分析(群流解析)」は、ビッグデータ活用事例として観光・防災面で注目されつつありますが、当社はまだ事例がない街のフリーWi-Fiスポットの利用状況でこれを行うべく研究開発を進めてきました。

 その甲斐あって昨年9~12月、村上市で実施された国土交通省採択の「日本海東北自動車道荒川パーキングエリアの利用活性」に関する実証実験での業務を受託することができ、市内6箇所の来訪者を観測分析し報告を行いました。

移動状況分析イメージ

 本サービスを含め2年目の今年は自社以外の企業・組織との連携や情報収集・研究体制の構築も具体的に見込みつつ、県内外でのさらなる契約の獲得を目指します。

 孵化したばかりの雛ですが、「慎重かつ大胆」に、そして「あそこなら信頼できる」と誰にも言われるオンリーワン企業を今後は目指していく所存です。

【デジタルマネージ・ウィズエー㈱ 代表取締役 横田孝宜(上越支部) 記】