企業進化論〈50〉㈱バランシングロック[2018年8月号]

株式会社バランシングロック

同友会に入ったおかげで経営に前向きになれた。

株式会社バランシングロック
代表取締役 横山 裕孝(よこやま ひろたか)

住所:妙高市朝日町1-10-3 さん来夢あらい 2F
Tel.050-5539-7900
Fax.020-4663-8863
事業内容:Web制作、セミナー講師、ITコンサルティング
創業:2008年11月

青年海外協力隊への参加

 青年海外協力隊を知ったのはシステムエンジニアとして東京の会社に仕事に就き、毎日満員の電車で通勤する日々を送っていた頃、ふと最寄りの駅でポスターを見たことがキッカケでした。昔からボランティアに興味があったわけではありませんでしたが、事故で妹を亡くしたことから自分ひとりだけの人生ではないと思うようになり、まったく経験したことがない世界へ飛び込むことを決めました。

協力隊時代の同僚 協力隊で派遣されたのはアフリカ南部の内陸国であるジンバブエ共和国。首都から100㎞ほど離れた地方都市の役所に配属となり、土地管理システムの構築を中心に役所のコンピュータ活用の支援を行いました。2年間の活動期間中、現地では仕事としての経験よりもまったくの異文化の中で生活すること自体が自分自身の考え方や他の人との接し方に変化をもたらし、その後の仕事・活動に大きな影響を与えたように思います。

専門学校講師と地域との関わり

 協力隊での活動を終え日本へ帰国した時に考えた次の仕事は"教える"ということでした。自身の専門であるIT分野は外したくないのですが、せっかく途上国で経験して見聞きしたことや感じてきた文化を、出来ればこれからの世代に伝えていきたい。そう考え専門学校でのIT系講師という職に就くこととなりました。

 専門学校で勤務する中で現在の事業を興すキッカケがいくつかありましたが、一番大きかったのは地元商店街の皆さんとの関わりでした。産学連携の一環で地元商店街向けのフリーペーパーやホームページ制作の支援を学生とともに実施しました。店主の皆さんと接する中でサラリーマンとは違い楽しく働く姿、自由な空気感、そして何より自分のお店のことだけではなく地域を大切に思い行動する姿に深く共感し、あこがれるようになりました。

独立を後押ししてくださった先輩起業家

 独立開業を考えた時に相談した人生の先輩が3名いましたが、そのうちの一人は同じ同友会の仲間であり、起業家としての先輩であったカラーコラボMuの飯塚むつこさんです。起業家としては5年先輩で、これから起業する私に対してさまざまなアドバイスだけでなく、地元のネットワークづくりのためのキッカケを与えてくださり、また、最初にホームページ制作のご依頼を頂いたのも飯塚さんでした。

 2015年秋に開催された中小企業経営フォーラムin上越でも実行委員長を務められた飯塚さんは、翌年不慮の事故でお亡くなりになるまで、私にとって目標とすべき先輩起業家として常に前進し続ける姿を見せてくださりました。

地域密着で活動する中で拓かれてきた事業

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 ホームページ制作、中小企業向けセミナー講師、ITコンサルティングという三本柱で行ってきた事業も、地域のいろんな方との繋がりを持つことで幸いにして営業活動を行わなくても仕事を頂ける状態が続きました。基本的に頼まれごとは断らないスタンスでしたので、仕事とともに地域の中での役割も少しずつ与えられるようになりました。商店街、商工会議所、市民活動などなど、直接仕事と結びつかないと思われることであっても「上越地域での活動はいつか自分自身に返ってくるものがある!」と思うとともに、実は飽き性、(良く言えば!?)新しいもの好きなので、積極的に新しいステージを求めていきました。

高田本町まちづくり(株)での活動

 専門学校在職当時から関わりを持っていた高田本町商店街では、平成23年に商店街有志を中心に設立された高田本町まちづくり株式会社に取締役として関わることとなりました。社員2名の小さな会社で、柱となる収益事業も定まらない状態ではありますが、地元商店街の将来を見据え、代表以下5名いる役員も手弁当で活性化に寄与する販促事業やイベント運営などを行っています。本業(自分の会社)との関わりはまだ少ないですが、将来的にITが商店街活性に寄与する側面も必ずあると思っています。

寄り添うことが出来なくなってきた現状

 商店街活動を中心に様々な地域活動・社会活動に関わることで、必然的に本来の仕事である自社事業への圧迫が強まってきました。開業して10年、地元企業と協働することもありますが、基本的には1人で仕事をこなしていく中で徐々にお客様へ寄り添った丁寧な仕事が出来なくなってきている現状が見えてきました。「YES」だけでは続かない現実に直面し初めて「個人」から「組織」への変革が必要だと少しだけ理解しました。

それでも寄り添える企業となるために

 同友会活動の中で多くの先輩経営者から様々な学びを得たつもりではありましたが、いざ自分自身が「経営」を迫られるとなかなかうまくいかないものです。また日々の忙しさにかまけてプレーヤーとしての動きで精一杯となり、社員を雇用するなどの組織化に踏み切れずにいたところ、同じように個人事業主であったり、これから1人で会社を立ち上げようとしている知り合いと共同で事務所を構えることとなりました。シェアオフィスです。また、この機を逃してはいけないと思い、法人化にも踏み切りました。

 法人成りをして1年が経ちますが、まだ法人の皮をかぶった個人事業主でしかないのが現実です。同友会でも10年ビジョンが強く叫ばれる中、私自身も今までの10年を振り返るだけではなく、これからの10年を見据えなければなりません。もうひとつ大切にしている商店街も将来への明るい展望が見えているとは言えない状況です。10周年を迎える自社、そして商店街、この2つをリンクしながらWIN-WINの関係が構築できるよう具体的アクションに取り組む年にしなければと強く感じています。

【株式会社 バランシングロック 代表取締役 横山 裕孝(上越支部) 記】