企業進化論〈44〉株式会社 志なのや[2018年2月号]

株式会社 志なのや 代表取締役 笹原 誠

ぐっすり眠ってスッキリ起きる! 清々しい朝をお届けします!!

株式会社 志なのや
代表取締役 笹原 誠(ささはら まこと)

住所:上越市下門前907-2
Tel.025-520-8737
事業内容:オーダーメイド枕や高機能寝具のカウンセリング販売、羽毛布団・綿布団の製造販売及び仕立て直し
創業:大正9年/社員数:3名

「志なのや」の起源

 新潟県上越市にある「ふとんの志なのや」は、大正時代に創業した90年以上の歴史を持つ店です。以前は、布団は店で買うものではなく、各自の家で作るものでした。そのため布団がくたびれてくると、中の綿を取り出してその綿をほぐしてふわふわにして、もう一度使うことが習慣になっており、それぞれの町や村には〝綿の打ち直し〟の仕事を生業にするお店が多くありました。綿屋という商売です。

 その中のひとつが、今の「志なのや」の起源となります。綿打ちの仕事をしていた「志なのや」は、当時、味噌も販売していて、扱っている商品を天秤棒に乗せると、その量が重くて棒が〝しなる〟ということから、今の〝志なのや〟という屋号に繋がっていったと祖母は話していました。そのような話を聞くと、どうやら当時は景気の良かったお店だったのかもしれません。

綿屋から仕立て直して布団を作る布団屋へ

 打ち直しをした綿を店で布団に仕立てるようになったのが、1960年代の後半頃からでした。私が物心ついた頃は、預かってきた古布団とふかふかに仕立て直した布団で、店の中も倉庫の中もいっぱいでした。

 祖母からは「この家の蜘蛛の巣までおまんのもんだ」と洗脳のように言い聞かされて育てられたので、子供の頃から「大きくなったら布団屋になるんだ」と当然のように思って成長していきました。

 高校を卒業してからすぐに、東京にあった寝具の専門学校に1年通い、その後、呉服寝具の総合衣料店で3年間修行した後、22歳で〝五代目志なのや〟として家業に入りました。しばらくは木綿わたの布団一筋で、午前中は打ち直しの工場に入って綿ぼこりにまみれ、午後からは布団の集配の毎日でした。

 羽毛布団が広まり一般家庭でも使われるようになった頃、「これからは羽毛布団も仕立て直しが必要になる」と思い、平成9年に「羽毛布団の仕立て直し」を行う機械を導入。綿布団と羽毛布団の仕立て直しを二本柱に、商売を行っていきました。

自分の店がお客様からどう思われているのか現実を知る

 しかしある時、「古くなった布団の仕立て直しは頼まれるけど、毎日使う布団は他で買われている」という現実に気が付きました。自分では布団屋だと思っていたのですが、いつの間にか「押入れを占領している布団の整理屋」になっていたのです。

 このままじゃいけないと試行錯誤の日々の中、商売における師匠ともいえる方との出会いがあり「これからは布団という商品をただ売るんじゃなくて、布団を通して〝より良い眠り〟をお届けする」という考え方を知りました。

 また、その方からの紹介もあって国内主要寝具メーカーと直接取引も始めるようになりました。使う人に合わせたオーダーメイド枕や眠っている時の体重(体圧)を分散する高機能寝具を扱うようになって、次第にお客様から寝具の相談以外にも、睡眠の相談を受けるようになりました。

 しかし当時は、自分自身、睡眠に対する知識がほとんどありませんでした。同業者には「布団屋は布団だけ売ればいいんだよ」「不眠についてのアドバイスは専門家の仕事だよ」という人もいましたが、私はどうしてもそれが納得できませんでした。眠れなくて寝具を買いに来ているお客さんには、その悩みを解決しなければ、どんなに素晴らしい寝具を売っても、お客さんに幸せになってもらうことはできないと思いました。

睡眠に関する勉強を始め、睡眠関係の各種資格を取得

 「これからの布団屋さんは、もっと睡眠について詳しくなくてはいけない」そのような決意をしてから、私は〝眠り〟について真剣に勉強するようになりました。

 仕事をしながら勉強時間を作るのは大変でしたが、睡眠についての話は興味深く、いろいろな本や資料を読みました。そして、睡眠についての勉強を突き詰めていくうちに、専門家や医師、大学教授などの指導を受けることになり、「睡眠環境診断士」「睡眠改善インストラクター」「睡眠健康指導士上級」「睡眠環境・寝具指導士」などの資格を取得しました。

その頃には妻の節子も祖母の介護が終わったこともあり、仕事に加わってくれていました。

一人一人から悩みを聞き満足のいく睡眠を提案

201802evolution3.jpg㈱志なのや 私と同じく「お客様の眠りに対するお悩みを解決したい」という想いの妻の提案もあって、平成23年6月に上越市大潟区の国道沿いにお客様と一対一でお話ができて、満足のいく睡眠を提案できるサロンのようなオーダー枕の専門店(国道店)を、妻が店長として出店しました。

 その後、オーダー枕の専門店で接客をしていく中で様々な課題が見つかり、また、人とのご縁もあって、平成26年4月にオーダー枕の専門店(国道店)を閉めて、上越インター近くの上越市下門前にオーダー枕とオーダーマットレスの専門店(下門前店)として拡張移転オープン。新店舗の店名は「楽眠の家ふとんの志なのや」としました。

 「楽眠の家」と付けたのは、一番目には「楽に眠れること」二番目には「眠ることが楽しみになること」、そして三番目には「子供からお年寄りまで眠りを通して幸せな家がふえること」そんな願いを込めています。

 気持ちよく眠れている人は今まで以上に、睡眠に悩んでいる人はその悩みが解決するようにと思い、日々、寝具の販売に取り組んでいます。

 今では寝具ばかりではなく、睡眠環境の改善提案や、良質な睡眠のための体質改善の方法などの提案も行っています。

201802evolution4.jpg 綿屋の時代から培ってきた「布団の仕立て直し」と、私と妻の想いが詰まった「オーダー枕や高機能寝具」の二枚看板で、これからも「ふとんの志なのや」を成長させ、ぐっすり眠ってスッキリ起きれる、清々しい朝をお届けしていきたいと思っています。

【㈱志なのや 笹原 誠(上越支部)記]】