企業進化論〈41〉番外編 10年ビジョン[2017年11月号]

新潟県中小企業家同友会 瀬野 弘貴

■新潟県中小企業家同友会 瀬野 弘貴

 新しくなった同友会の「経営指針成文化と実践の手引き」に、これからの経営には特に10年ビジョンが必要だと明記してあります。皆さんは10年後の未来をどのように捉えていますか?これからの10年で外部環境が大きく変わります。まずは、10年前から現在までを遡ってみます。

これまでの10年

 この10年間を振り返ってみてください。10年前というと2007年ですが、皆さんは今とやっている仕事の内容は同じですか?取り巻く環境は一緒でしょうか?この10年の間での身の回りの変化といえば、例えば、テレビがアナログからデジタルへ移行したのが2011年。その2011年には、忘れもしない東日本大震災が発生し、原発の安全神話が崩壊しました。前後して毎年のように大災害が日本を襲うようになったとか。あと、電気の自由化も始まりました。私はそんなこと予想もしませんでした。なにより大きく変わったのは、やっぱりスマートフォンの台頭ですね!!

2007年、iphone(アイフォーン)登場!

201711evolution2.jpg 今からちょうど10年前の2007年に「iphone(アイフォーン)」が発売されていました。SNS、携帯ゲーム&携帯小説、電子マネー、ネット通販、など・・・スマフォ1つで生活できる時代が到来。1日に何回スマフォを見ますか?

 ネット通販が身近になり、週に1~2回は何かしら家に宅配物が届きます。10年前は今の環境を想像できたでしょうか?ニュースを見ていると、特に米ネット通信販売会社A社の成長のために、アメリカでは玩具販売大手が破産。日本でも百貨店や車業界も経営難に陥っている状況です。この10年は、いわば生活していく上で、目に見える形の変化があったわけではありませんが、生活のあり方が大きく変わった10年だったように感じます。例えるなら、私くらいの世代までは、鉄とコンクリートで未来を描けました。でも今は、ネット社会ですね。ネットの中で"建設"が起こり、未来が描かれている時代です。外の仕事はどんどんなくなっています。ホント未来が見えづらいと感じます。

これからの10年

 IOT(モノのインターネット化、internet of things)やAI(人口知能)の影響などから、なくなる仕事が予測されています。今や、様々な外国語の論文なんかもAIによって多国語に翻訳されてしまっているため、大学の先生が「大学教授の仕事もいずれなくなる」と嘆いていました。美容業界では、10年前は、ネイルアートの機械が70万円だったのが、今では10万で買える様になりました。そうなると、美容師がネイルアートを施術でき、ネイリストの仕事はなくなってしまうそうです。

 すでに米ネット販売会社A社は日本の建築分野にまで参入してきており、ヨーロッパの電気機器メーカーD社が電気自動車の事業に参入するとの話もありました。もしかしたら、3Dプリンターで家まで出来ちゃうんじゃないの!?なんて時代が押し寄せてくるんじゃないかって考えちゃいます。

 お伝えしたいことは、必要以上に危機感をあおろうと思っているわけではないです。皆さんで共通認識をとりながら、逆にビジネスチャンスと捉え、もしくは会員同士で新しい仕事をつくり、雇用が生まれたら、それほどすばらしいものはないと思っています。そのための材料と思って頂けたら幸いです。

未来を語り合う

 やっぱり3年とか5年の中期計画では、過去延長と今までの積み重ねである程度の予測が立ちますが、10年となるとまた違った変化が起こってきます。10年先を語るってことは、ちょっとした夢や目標を語るようなものですね。ただ、こんなご時世だからこそ、ぜひ、経営者の皆さんには、大きな夢を語ってもらいたい!でっかくて、ワクワクする夢をです!!多くの会員さんがそんなことが言える企業、そんな地域になったらいいなって心から思っています。そんな夢・ビジョンを実行していくには、やっぱり10年くらいは必要だと考えられるわけです。その10年ビジョンを考える際、やっぱり外部環境は無視できないですよね?

まとめ

201711evolution3.jpg 2025年問題と世間でも言われていますが、ご存じですか?2025年には、団塊世代がすべて75歳以上になり、社会保障費が大きく膨らむことになります。同時に認知症患者も比例して増加し、そこころには、700万人以上(高齢者の5人に1人)と予測されています。一人暮らしの社会が本格化し、また団塊ジュニアは50代を迎え、企業の人件費がピークになります。

 ここに挙げた内容は限りなく可能性のある未来予想です。押し寄せてくる負の連鎖。見たこともない外部環境。東京オリンピック景気にかき消されている現実、2020年からその先の将来をしっかりと見据えておかないと、この10年間の外部環境の変化によって、大変なことになりかねません。備えあれば憂いなし!その備えが何なのか、そういうことをぜひ支部で話し合えないだろうか?って思います。企業づくりだけやっていてもダメ、経営者として成長しようとしているだけでもダメ、同友会の3つの目的をバランスよく総合実践することこそが、会社、地域を成長させると同友会では言っています。なかなか良いこと言いますね。そんなことで、事務局も10年ビジョンを作成中です!

(新潟県中小企業家同友会 瀬野 弘貴 記)