企業進化論〈39〉株式会社ヤマノイ[2017年9月号]

株式会社ヤマノイ

地域に必要とされる唯一無二の存在を目指して、 これからも社員と共に会社を発展させていきたい。

株式会社ヤマノイ
代表取締役 山ノ井 道夫(やまのいみちお)

住所:村上市山辺里301
Tel. 0254-53-0165
事業内容:鉄・非鉄金属資源買取、古紙原料回収加工販売、廃自動車解体、産業廃棄物集運搬処分業(金属くずのみ)、一般廃棄物収集運搬処理
創業:1952年/社員数:9名

創業と歴史

 祖父の両親が新発田で「屑屋(現在のスクラップ加工販売業)」を営んでおり、昭和27年、祖父母も村上に移住し屑屋を始めました。当時の屑屋は鉄、銅や紙くずなどを集めて加工し、問屋に売っていました。物も少ない時代で、鉄くず、紙くずというのはとても貴重なリサイクル資源であり、荷物を各地域からリヤカーで集める買い子という人達が多くいて、それで商売が成り立っていました。当時は自宅の前が工場でしたが、段々と住宅が建ち、昭和50年に工業地域に現在の工場を移設しました。時代は高度成長期に入り、村上にも様々な建物や道路などができました。物ができればそこには必ず屑が出ます。当時は祖父が工事現場までトラック一台で鉄くずなどを回収し、切断加工やプレス加工を行っていました。

祖父から父へ

 父は高校卒業後、新潟市でサラリーマンをしていましたが、20歳の時に村上に帰って来て家業を継ぎました。バブルの時代も経験し、仕事も順調だったようですが、父は今後の将来を見据えて、大型の機械設備の導入で仕事の効率化を図りました。その後、バブルもはじけ我々の業界も不景気の煽りを受け、お客様から処理料金をもらう時代へと変わっていきました。そんな中、平成16年に産業廃棄物処分、中間処理場、産業廃棄物収集運搬や廃自動車解体処理などの許可を取得し、あらゆる金属を処理できるように会社をシフトしていきました。それと同時に社名も現在の㈱ヤマノイへと変更しました。

父から私へ

 幼少の頃は工場が遊び場となっていて、スクラップの山や廃車が積んである上に登って遊んだりしていました。小学生になると休日は必ず仕事の手伝いをさせられた記憶があります。そんな父を見て、子供ながらに私もいつかは父と一緒に仕事がしたいと思っていました。私は高校卒業後、上越で就職しましたが、村上に帰ってきて地元の建設会社で様々な経験をさせてもらい、その後、平成12年に現在の会社に入社しました。

現場風景 当時は父、母、兄と社員一名で、私はひたすら回収作業や選別加工処理、出荷作業や問屋への持ち込みなどを行っていました。その頃、地域の団体である村上商工会議所青年部に誘われて入会し、経営者の先輩や仲間ができ、繋がりも増え、経営に対する考え方が変わり始めました。仕事もある程度自分でできるようになり、仕事の仕方で父や兄との衝突もありましたが、少しずつ認められ、任されるようになりました。そんな中、父が50代になると病気などで会社を不在にすることが多くなり、いつかは私がこの会社を継がなければならないと思い始めた矢先の平成20年、当時私が30歳の時、父から私に社長のバトンが受け継がれました。

同友会との出会い

 同友会は元々父が入っていて、代理で渋々参加していました。しかし、参加をしていく中で、たくさんの経営者と出会い、話をする度に経営のヒントが得られる会だと確信しました。私も社長にはなったものの、社員の時とあまり変わらず、毎日作業をしていました。当時、村上支部の先輩から「現場は社員がすること、社員が仕事をしやすくするのが経営者の仕事」と言われ、「なるほど!今のままではダメだ!」と痛感させられました。しかし、何をどうしたらいいのか分からず、月日だけが流れていきました。仕事をする上で自分の想いだけが先走り、社員との葛藤が生じるようになりました。経営に不安を感じるようにもなりました。そんな中、経営指針を創る会に誘われ、藁にもすがる想いで受講することとなりました。

経営指針を創る会での学び

 私は3年前の21期生として受講し、最初は受講すれば経営指針ができるものだと安易に考えていました。経営に対する考え方が甘かったため、課題が進まず、最終講まで悪戦苦闘しました。常にお客様を第一に考えて仕事をしていましたが、社員はかけがえのないパートナーであることに気付かされました。毎回メンターの方から良い刺激を与えていただき、これからの方向性と「何のために仕事をしているか?」を考えることができるようになりました。創る会で学んだことを活かし、これからの経営に役立てていきたいと思います。

今後の会社づくり

 時代はめまぐるしく変化しています。私は廃棄物処理の仕事をしていますが、廃棄物の中には資源となる物がまだまだ多く存在します。それらをいかに効率よく回収し、新たな資源へと生み出させるかが今後の課題となり、これまで以上に再資源化の技術に取り組んでいきたいと思います。今は資源リサイクルがメインの仕事となっていますが、多様化したお客様のニーズに合わせ、5月に産業廃棄物中間処理の許可を追加して、全ての産業廃棄物を弊社で一括して処理できるようになり、利便性が向上しました。そしてこれからは、個人向けの資源回収システムの構築で新たなビジネスへと挑戦します。「仕事は待っていても来ない、自ら創っていくもの」同友会で学んだこの言葉を胸に、今後もさらなる挑戦をし続けます。

 リサイクルで新たな価値を生み出し、地域に必要とされる唯一無二の存在を目指して、先代から受け継いだこの会社を、これからも社員と共に発展させていきたいと思います。

【㈱ヤマノイ 山ノ井 道夫(村上支部)記】