企業進化論〈38〉株式会社 フォト・スタンプ新潟[2017年8月号]

株式会社 フォト・スタンプ新潟

村上地域をもっと元気に!

株式会社 フォト・スタンプ新潟
代表取締役:佐藤 学(さとうまなぶ)

住所:村上市天神岡381番地1
Tel. 0254-53-0600
事業内容:総合印刷、モカプロジェクト、IT関連事業
創業:1977年/社員数:18名

仕事があふれていた創業のころ

 今から40年前、父が脱サラをして顔写真入りスタンプの製造販売事業を始めました。創業当時の事業内容がそのまま社名となりました。時代は好景気でありましたが、非常にニッチな市場でありましたので生計が立てられるわけでもなく、早い段階でスタンプを製造する製版技術を活かした印刷業界へと業務転換をすることとなります。最初の頃は中古のオフセット印刷機を1台導入し、受注伝票はスタンプ事業時代に大量に作成したチラシの裏紙でした。時代背景や周りの皆様のご支援のおかげで少しずつでも業務を拡大していきました。私が小中学生の頃は、父は印刷工場に寝泊まりし、母は、昼は配達、夜は経理事務などほとんど両親が家にいない状況でした。それでも、私たち家族のために一生懸命働いている姿は親の大きな背中として今も目に焼き付いています。

他の仕事は選択肢にない

 高校3年の進路選択のとき、自然と印刷業界へ導かれました。小学生のころから兄弟皆で家業の手伝いをしていました。紙とインキの匂いが染みつき、ものづくりの楽しみや満足感も染みついていたのでしょう。上京し大手印刷会社の製版部門で仕事をしていましたが、兄が継ぐものだと思っていましたので気楽に好きな仕事と都会の生活を楽しんでいました。東京生活が数年続いたころ、突然両親が上京してきました。兄が別な仕事に転職したので戻ってこい!と。

親子喧嘩からそれぞれの道へ

工場風景 25年前の平成4年に帰省し跡を継ぐ覚悟で入社。当時は受注量が増えている時期で、昼は営業で駆けずり回り、夜は現場で製版、印刷、製本などの手伝いをする毎日でした。寝不足から居眠り運転で事故を起こし入院したこともありました。顔面の傷が癒えず営業に出られないので現場で様々な事を学ぶことができました。まさに「怪我の功名」です。数年するとある程度のことは覚え、今後の業界の動向や自社の将来像などを考えるようになりました。丁度その頃から社長である父と意見の違いでよく喧嘩をするようになりました。事務所で怒鳴りあっていると事務員さんから「親子喧嘩なら家でやってください!」と言われることも多々。話し合いの末、ある程度の経営を任せていただき専務取締役となりました。父は実質上引退し、平成14年から村上市長を一期務めました。

時代にあわせ「変化する者が生き残る」

 印刷業界も大きな波が押し寄せました。「デジタル化」と「ITの台頭」です。当社もデジタル製版システムやオンデマンド印刷機の導入などで変化に対応してまいりました。しかし、そのスピードは速く複雑で、小規模事業所にとっては限界を感じてきました。その頃から強く思い始めたことは「地域の皆様に必要とされる会社」づくりです。平成19年に社長に就任し、平成20年度に村上商工会議所青年部の会長を拝命しました。それらの経験から、地域にとって必要な会社になるには、当社は地域に対して何をしなければいけないのか?どういう商品サービスを提供することが、地域=お客様=当社が「三方よし」の関係を築けるのかを真剣に考えました。

先代が残してくれたもの

 当社は昭和59年より25年間「情報ひろば」という集合広告紙を毎月発行しておりました。時代が変わっていく中で、広告枠を切り売りするだけではなく、この資源豊かな村上地域の情報を盛り込んだフリーペーパーを作りたいと考えていた時、地域共通ポイントカード事業の話が舞い込んでまいりました。地域に対して当社がやらなければいけないことは、このような「情報の発信と地域店の活性」ではないかと決意し「モカプロジェクト」をスタートさせました。

モカプロジェクト(moca-project)

モカプロジェクト M=村上地域、O=応援、C=コミュニティ、A=アクションの造語です。コンセプト「モカを活用して村上地域の街と人をもっと元気にしよう」のもと、基本的な考え方は「三方よし」で「地域の消費者=地域のお店=モカプロジェクト」がそれぞれプラスになること。平成21年4月にフリーペーパーの創刊号を発行し、以後毎月4万部発行、胎内市以北への新聞折込と250か所以上へ設置しています。同時に地域共通ポイントカードも運用開始しました。現在、加盟店45店舗、会員数8500名でご利用いただいております。さらには、各種イベントへの出展や独自の婚活イベントなどのイベント企画運営も行っています。

仕事を続けて行くために大切なこと

 モカプロジェクトは9年目になりますが、まだまだ総売上の10%ほどです。しかし、印刷業界を取り巻く環境は日々変化し、その対応に迫られています。これまで培った印刷業の技術やノウハウをベースにして、そこで得た情報をフリーペーパーやホームページなどに展開していく「クロスメディア」により一層取り組んでまいります。

【株式会社フォト・スタンプ新潟 佐藤学(村上支部)記】