企業進化論〈35〉大滝自動車工業株式会社[2017年5月号]

大滝自動車工業株式会社

「人を想い、人に尽くす」この理念を胸に、会社を盛り上げていきたい。

大滝自動車工業㈱
代表取締役:大滝 哲也(おおたき てつや)

住所:村上市仲間町639-46
Tel. 0254-52-6622 Fax. 0254-53-5511
事業内容:自動車整備・鈑金塗装・販売、保険、レンタカー、観光バス、旅行業
創業:1967年4月/社員数:44名

会社の原点、創業期のこと

創業者である私の父、徳蔵は中学校卒業後、地元の定時制の夜間高校に通いながら、日中は鉄工所に勤務し、その後、新潟市内の自動車鈑金塗装工場で修業を重ねました。新潟地震が起きた直後に村上に戻り、村上市緑町に自宅兼工場を建て、自動車鈑金塗装工場事業を開業しました。当時は、村上でも、どの会社にどんな車があるかが把握できる程度しか自動車が普及していませんでしたが、これからは自動車が社会と大衆に広く普及し、モータリゼーションが生活必需品化すると予測・確信し、工場を立ち上げました。
幼い頃から、工場で働く父、事務経理を担当する母の背中を見て育ちました。子供ながらに憶えていることは、家庭でも、内容はわかりませんでしたが、父と母がいつも家庭でも仕事の話をしていたことを思い出します。全てが順風満帆とはいかず、幾度も試練を乗り越えてきたと聞いております。

業務内容、取組などの変化(進化)の過程

創業者である父、徳蔵は試行錯誤を繰り返しながらも事業を拡大していきました。昭和40年4月に一人でポンコツの軽自動車とハンマー一つで事業を開始して以来、地元のお客様の信頼を築きながら、昭和54年には村上市仲間町(現在の場所)に本社、新工場を設立、鈑金塗装だけでなく、自動車整備事業にも本格的に参入していきます。昭和60年にはレンタカー事業を開始。平成元年にはマツダチャンネルの一つである「オートザム」ディーラー権を購入し、翌年には店舗兼ショールームを新築しました。平成12年には「大滝観光」を設立し、観光バス事業を開始しました。その流れから、平成22年には旅行業務の登録認可を受け、「大滝観光」として旅行業の業務も始めました。今では自動車関連事業と観光バス事業を大きな2本の柱として、地域の皆様へ安全・安心・快適を提供することを社会的使命と考え、全社員45名で事業に勤しんでおります。

入社してからの私

そのような中、私は平成8年1月に弊社に入社しました。前職が東京で三菱自動車の営業をやっておりましたので、私が自動車販売事業を担当し、途中から入社した弟の健(常務取締役)が自動車整備事業を担当するといったように、兄弟でしっかりした役割分担ができておりました。地域の活動も2人で一生懸命やり、私が青年会議所で活動し、弟が商工会議所青年部で活動することで、本物の仲間と出会うことができてたくさんの人脈を得ることができました。
会社も平成27年10月に創業50周年の祝賀会を計画し、そのタイミングで代表の交代を発表し、これから兄弟2人で協力しながら会社を盛り上げていこうという矢先で、弟が急逝してしまいました。悲しみの中、弟のいない会社経営が始まりました。

経営指針を創る会

弟が亡くなった翌年の平成28年9月、代表取締役社長に就任しました。このタイミングで経営指針を創る会に参加しました。今までは営業(プレーヤー)としての動きが多かったのですが、経営者として成長できるとても良い機会だと思いました。自分の生い立ちや、家族のこと、会社のこと、(当然守秘義務は遵守の上ですが)全てをさらけ出して、事前課題に取り組みながら、メンターとのセッションを繰り返します。その中で、いかに経営者としての仕事をしてこなかったか?仕事を盾にいかに家庭をないがしろにしてきたか?また社員を想う気持ちが全く足りなかったことを痛感させられました。会社でも家庭でも多くの問題を抱えていた私に、多くのメンターや同期受講生の方たちに多くのアドバイスや励ましのお言葉をいただきましたが、なかなか腑に落ちるものを創れずにいました。あと、最後の発表会を残すだけとなり、このままだと完成しないと思ったときに、次のことをやろうと思い実践しました。
「自分と向き合う。妻とこれからの家族のことについて徹底的に話し合う。社員との面談(自分の考えを伝える)。創業者である父に今後の会社経営について自分の考えを伝える。弟の健が残してくれたものについて考える」そこに向き合った末、経営指針が出来上がりました。その一部を紹介します。
◎経営理念『人を想い人に尽くす』
◎経営信条 
・社員の幸せを追求し、歓びにあふれた未来を創造します
・安全・安心・快適を創造し、社会に貢献します

経営理念、経営信条に込めた想い

今までは、社員の幸せということは常に考えてはいましたが、お客様の幸せを実現していく中で売り上げが上がり、その先にあるものという認識でした。しかし、経営指針を創る会で考え方が変わりました。社員あっての会社。社員の幸せを実現していく中で、社員の満足度が高まり、そこから質の高いサービスが生まれ、お客様に喜んでもらえるような会社になる。そんな会社を目指したいと考えるようになりました。
また弊社の事業は先にもあった通り、自動車関連事業と観光バス事業を2本の柱としております。安全・安心・快適を手に入れ、豊かな生活を送っていただくお手伝いをしたいと考えております。経営信条にある2つの目的を実現するために、本当に大切なことは何なのか?社員を想い社員に尽くすこと。家族を想い家族のために仕事をして家族に尽くすこと。お客様を想い、お客様のために安全・安心を提供して、お客様に尽くすこと。「人を想い、人に尽くす」この精神は、弟の健が残してくれたものでもあります。この理念を胸に、大滝健がみんなのそばにいる、一緒に経営しているという想いで会社を盛り上げていけたらと思います。

【大滝自動車工業㈱ 大滝 哲也(村上支部)記】