同友にいがた vol.344[2016年6月号]

第4回REES東日本大震災復興シンポジウム in 宮城に参加して | 同友にいがた vol.344[2016年6月号]

第4回REES東日本大震災復興シンポジウム in 宮城に参加して

3月10、11日に開催された第4回REES東日本大震災復興シンポジウムに参加された4人から感想をいただきました。ご紹介致します。

東北は必ず復興します。必ず。

株式会社創明工芸 澁木 恒利(燕支部)

第4回目となる震災復興シンポジウムに参加させていただきました。震災から5年経って、被災地の復興は進んでいるのか?都市計画は?人が住めるようになっているのか?と気になっていました。

今回初めて規制地域へ進入し、色んな事を思いながらの参加でした。内陸部は震災前とほぼ変わりないくらい発展していましたが、海岸部は5年前となにも変わらず、箒で掃いたように何もない状況でした。また津波が来たときどうするのか?その怖れから海岸部には近づけない。沢山の人が亡くなった地に住む事も抵抗がある・・・でもこのままにはしておけない。様々な想いの中、防潮堤を築き、土地のかさ上げなどを行っていましたが、津波が来たら結局高台に逃げる事になる。そんなジレンマにがんじがらめになり、前に進めなくなっている様に感じました。

しかし、被災して復活した企業の経営者の皆さんはどなたも凄かった・・・迫力が違いました。生も死も乗り越え、見てきたもの、潜り抜けてきた風景が常人とは桁が違うと感じました。震災から今だ5年、まだまだ都市計画、原発、共に解決まで10年単位で時間はかかると思います。しかし東北は必ず復興します。必ず。


省エネやリサイクル活動に取り組むことは私たちの使命

株式会社日野屋玩具店 櫻井 道子(新潟支部ウエスト地区)

私は、今回2回目の東日本大震災復興シンポジウムに参加させて頂きました。1回目は、2年前に気仙沼で津波からかろうじて助かった方の話を伺い、初めてエネルギーシフトについて学ばせていただきました。

今年のシンポジウムでは、全国から160名の会員が郡山駅に集まりました。バス3台で福島県楢葉町にあるJヴィレッジにて、福島第一原子力発電所の廃炉作業の取り組みについて、東京電力株式会社副社長より説明を伺いました。

第4回REES東日本大震災復興シンポジウム in 宮城に参加して | 同友にいがた vol.344[2016年6月号]Jヴィレッジは、福島第一原子力発電所まで20kmの距離があり、あの事故の時には白い防護服を着た人達が現場に行き、対応した後、休息をとった場所です。現在は、廃炉作業に向けて、毎日約7,000人近い人が作業をしています。その作業の50%は地元の方の雇用だそうですが、作業は、まだ登山道の入り口についたばかりです。これから40年以上もの時間とお金がかかります。全て私達の税金です。放射能は除染や自然に飛散することで濃度が低くなり、甲状腺がん発症も小さいように報じられていますが、色々な情報からすれば、とても高い確率です。幼い孫を持つ身としては、将来の不安がのしかかってきます。

帰還困難地域、居住制限地域、避難指示解除地域をバスで通過しました。除染した土や瓦礫が黒い袋に入れてうず高く積まれ、周りは白い板で覆われています。新築したばかりの家に帰ることもできない。立ち寄ることもできない双葉町、浪江町があります。墓地には新しいお墓もありました。故郷に帰れず仮設住宅で暮している人達も、ご近所の方々と離れ離れになったり、見知らぬ土地で住むことに抵抗があります。とても他人事で処理できる問題ではない、と実感しました。

翌日は、朝8時30分より午後3時まで各地の会員の方々と、視察、講演、実践報告を聞いての感想など、グループ討論を行いました。環境経営、同友エコ、電力量を調べ、消費電力の削減を実践されている方もいました。午後の同友エコ表彰式で頂いた資料は、大変参考になります。環境・体・暮らしに優しい、自然エネルギーを活用し、なるべく電気に頼らない取り組みは、第2回のシンポジウムでも話題になった地熱の活用、ペレットストーブを設置して暖房コストを削減する取組等は、当社にも可能だと思います。

火山国日本、これからも災害も多く発生するでしょう。原子力の脅威に怯えるよりも、地球に優しい地熱利用や省エネ、エコドライブ・ゴミのリサイクル活動は、何処の企業でもできることです。一人でも多くの人に伝え、実践する事が参加した人の使命だと思います。2日間大変勉強になりました。


被災地の同友会員の頑張りは驚きと尊敬に堪えない

株式会社吉田工業 吉田 徳夫(燕支部)

今回は第4回目ですが、私は先回を除き3回も参加させていただきました。

今回は初めて福島県を視察させていただき、いわき市から6号線を通り、事故のあった第一原発のすぐ近くを通過、双葉町ではバスの中でもどんどん放射線量が上がり、不気味な思いをしました。最初の視察地、第1原発から20キロ地点にある「Jヴィレッジ」、ここでは東京電力福島復興本社代表の石崎東電副社長さんからのお話を聞きました。石崎さんは今回の事故以前3年間、責任者としてこの原発にいました。地元の住民とは大変仲良くされていて、「日本の原発は絶対安全、何かあったら原発へ逃げろ」と言い続けていたそうです。しかし、こんなことになり、大変心が痛むとお話しされていました。Jヴィレッジとは、東電と福島県が出資した、日本最大のサッカートレーニング施設です。震災での被害が少なかったことから、震災後すぐに事故被害対応拠点となっていたところです。この復興本社は、事故への対応を原点とし、賠償、除染、復興推進等の最前線本部として機能しています。常時7千人の組織体制で、そのうち4千人が福島住民地元住人です。もちろん東電社員も毎日約200人が2〜3日、除染や除草、線量測定、荷物運搬等に従事し、すでに述べ15万人以上が活動しています。今後この地域は、広野地区といわき勿来地区に2基の最新鋭石炭火力発電所を建設し、雇用2000人、経済効果800億円を見込んでいます。また、この地域を廃炉に必要な技術のイノベーションコースト構想の拠点とし、ロボット研究、情報発信、技術研修、先端廃棄物リサイクル等の拠点としたいと石崎さんはおっしゃっていました。

第4回REES東日本大震災復興シンポジウム in 宮城に参加して | 同友にいがた vol.344[2016年6月号]次は、津波で被災した数軒の残骸と、巨大な新しい焼却施設だけが残る一面の荒れ地、この5年間ただ残骸を取り除いただけで、時間が止まってしまった浪江町を見学し、南相馬市を経て、仙台に入りました。

2日目はシンポジウムとなり、東北大学の増田教授の「震災復興政策の検証と新産業創出への提言」と題した基調講演があり、岩手同友会田村、村松両代表理事、宮城同友佐藤代表理事の実践報告があり、中同協瓜田さんからの課題提起「震災から5年現状と課題」を受けて、グループ討論が行われ、そして3月11日2時46分、全員で黙とうをささげ、「東日本大震災から5年の復興慰霊式」で今回のシンポジウムを終わりました。

5年も経ってまだ手つかずの事の多さ、これだけ盛り土をし、巨大な防潮堤を築いても、この場所ではたして社会生活ができるのかとの疑問を感じながらも、地元で頑張り、確実に成果を上げている3県の同友会会員の皆さんには、大変な驚きと尊敬に堪えません。我々も他人事でなく、同友会運動を実践し、良い会社、良い経営者、良い経営環境を目指さなければと思います。


自分が地域で何が出来るかを再確認する機会になった

アートサロン掛軸堂 高橋 きよ江(新潟支部ウエスト地区)

4年前の第一回目から復興シンポジウムに参加させて頂いております。4回目となる今回は、福島県いわき市、浪江市、南相馬市を中心に、現地視察から始まりました。

福島県は、地震と津波、原発事故の放射能、そして風評被害と他の被災地とはまた異なった地域でもあります。率直に思ったことは、復興はまだまだだという事・・・普段、被災地からは離れていて、平和に暮らしている我々にとって、これがまさに現実なのだと思い知らされる、そんな一つひとつの光景がそこにありました。

原発事故の解決方法を持たないまま、5年経った今もまだ手探り状態で、今も1日1,700名もの作業員が投入されている事も、この時に初めて知りました。もしもの時、対処方法もないまま原発を再稼動させようとしている、人間の愚かさに絶句してしまいます。中小企業家同友会は、エネルギーシフトを提言して、その取り組みを実践しています。一人ひとりが自分で、地域で、何が出来るかを再確認するべく、いい機会を与えて頂きました。

そして、これからの日本、世界、そして地球にとっての大きな課題に取り組んでいく、この同友会の姿勢に誇りを感じ、またその一員に入れていただいている事の責任と感謝でいっぱいになりました。

第4回REES東日本大震災復興シンポジウム in 宮城に参加して | 同友にいがた vol.344[2016年6月号]

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