同友にいがた vol.343[2016年4月号]

弱い人も輝き、誰もが楽しめる会社をつくりたい | 同友にいがた vol.343[2016年4月号]

弱い人も輝き、誰もが楽しめる会社をつくりたい

沖野 兼一 さん(燕支部)
沖野彫刻 代表

〒959-0133 燕市新堀2294-3
Tel.0256-97-7507 Fax.0256-97-7522
Web: http://www.dougu.info

私の小さい頃

私は、小さい頃から工作が好きで、いつも何かを作っていました。夏休みの自由研究は毎回工作をしていたのですが、5年生の時は人が乗れる船を作りました。その船を毎日のように友達と用水路に浮かべて流されながら遊んでいました。濡れた船は結構重たいので、リヤカーに乗せて運んでいたのですが、今考えると小学生が重たい物を用水路から引き上げて上手に運んでいたなと思います。こんな事の積み重ねで木材の加工や水道、電気、機械、エンジンの整備などが好きになって来たんだと思います。

小さい頃の夢は親父のような腕の良い大工になることでした。高校を卒業して職人の道を目指しましたが、大工にならず村上の彫刻師の家に住み込みで弟子入りする事になりました。よく「沖野さんは何で彫刻師になったの?」と聞かれる事があります。父親がやりたかった仕事で村上に凄い彫刻師がいるからと勧められた事が一番大きな理由です。他に大工と同じ木を加工する仕事だから同じような物かなと思った事と、彫刻師と言う響きが良い!格好よさそう!と思ったからです。実際の修業は厳しくて1年が凄く長くて、一生終わらないんじゃ無いかと感じてました。修行期間の5年は今の15年位の感覚です。

バイクが趣味でした

趣味について、私は16才で原付免許を取ったのですが、最初に乗ったバイクはオフロードバイクでした。修業期間は200ccのオフロードバイクに乗り週末にストレス解消の為に山を駆け巡ってましたので、村上周辺の林道には詳しいです。修業が終わってから仲間3人でお金を出し合ってバイクを買い、毎月レースに参戦するようになりました。レースの1週間位前から緊張して毎回ドキドキワクワクしていました。小さなカッティングマシーンで、レースのたびにゼッケンを作ったりロゴを作ったりして楽しんでいました。それから練習中に骨折したことをキッカケに、レースを辞めてシールも作らなくなっていました。それから数年して彫刻の仕事が暇な時期があり、なんとかしなきゃと考えていて、シールとホームページ作成のスキル生かしてシールのネット販売を始めました。この頃は、全くお金がなく、ホームページをオープンする時は使いかけの「白、黒、赤」の三色のフイルムしかなくて、さすがに三色しか作れませんとは言えないので追加の「青、緑、黄色」は注文が来てから購入すればいいやと思い、ホームページ上は画像表示だけで始めました。立ち上げ当初は、売上のほとんどが次の材料代に消えて給与は、なかなか取れませんでした。半年後に20万円の機械を購入したのですが、こんなに大きな投資をして良いのか?と思うくらい力がありませんでした。お客さまの要望に合わせて徐々に色数を増やしたり、大判印刷が出来る機械を入れて作れるものを増やしてきました。創業は軌道に乗るまで苦労しますが、私は自由に出来る点が向いていると思ってます。作れる物を増やしたり販売方法を考えたり、社員との関わりを日々試行錯誤しています。私は、マメにコツコツやる事が苦手で、さらに忘れっぽいので同友会で学んだ事などは、忘れないように翌日に試したりしていました。時には、ふっと思いついた事をすぐに実践したり、ダメだったらすぐに辞めたり、一貫性が無いかもしれませんが色々チャレンジ出来るので毎日楽しいです。でも100円ショップで金額を理由に買うか悩んでいた頃は、後継者をうらやましく思っていました。

楽しい事を追求

困難を我慢して乗り越える事は良いことだと思います。しかし、現状を変えるには、我慢をやめて自分の気持ちに正直に行動すると、新しい事に挑戦するエネルギーが湧いてくる事を感じてます。最近は、極力我慢しないようにしています。そうしたら元々我慢は苦手だったんだ、ホントは嫌だったことに気づきました。我慢をやめて自分に優しくする事で、幸せを感じられるようになって来ました。幸せを感じているので社員にも優しくする事が出来て社員の笑顔を見る機会が増えたので、さらに幸せを感じています。やさしくすると怠ける、だらける、まとまりが無くなるなどの要素もありますが、相手を認めて任せるようにすると、やり甲斐をもって良い仕事をしてもらえる事があります。私は不完全な人間です。自分の弱い所を話す強さが無くてなかなか言えませんでした。そして苦手な事を他の人にお願いする事がなかなか出来ませんでした。自分が苦手な事は他の人も嫌だと思っていたからです。私が苦手でも、それが大好きな人もいるんですよね。最近は苦手を認めて得意な人にお願いするようになって、少し楽になり得意な事に集中出来るので楽しく仕事ができるようになりました。こうするとで生産性がかなりアップします。最近の取り組みで社員の「自分取扱説明書」を作っています。社員それぞれ何が好きで何が苦手なのかを自己申告してもらい、それを見て仕事の内容や対応の仕方などを考えるようにしています。まだ始まったばかりで効果は分かりませんが、こちらが想像していた事に本人の自己分析をプラスすることで、より社員に合った対応が出来そうです。そして、書いてある事をそのまま受け取らず、好きな事、苦手な事と書いたものは良い悪いを別として意識していることなので、本当に苦手なのか?出来るようになりたいと思う気持ちが強すぎて苦手と言っているかなど、書いてある事の中から輝けるポイントを探し出せたらと思ってます。

ヤギを中心に善意の輪が広がった

2年前からヤギを飼い始めました。「なぜ飼い始めたの?どこで手に入れるの?」と聞かれることが多いです。それは先に飼い始めた茨城の宮大工さんの影響を受けて飼うことになりました。このことをFacebookに掲載したところ、福島の知り合いの人もうちのヤギも飼わないか?と言われ2頭飼うことになりました。県外の少ない知り合いがどちらもヤギに関係していた事に、何かの縁を感じます。昨年のゴールデンウイーク明けにヤギが来る事が決まったのですが、この年はゴールデンウィークも休めないほど仕事が凄く忙しくて、受け入れ準備が出来ませんでした。そこで1日だけ休みにしてその日に柵作りをお願いしたところ、沢山の人の協力を得てヤギが来る日までに柵と小屋を作ることができました。ヤギの小屋を提供してもらったり、柵を作る作業を手伝ってもらったり、作業後の食事を提供してもらったり、その時のテントや椅子を用意してくれた人もいました。おかげさまで、楽しく準備する事が出来ました。助けていただいた皆さん、本当にありがとうございました。

同友にいがた vol.343[2016年4月号]

スペースを広げる為に農家になりました

15年前に彫刻の仕事場として100坪の土地を購入し埋め立てをして建物を建てました。その後、場所が足りなくて何度か増築してきましたが、土地が足りなくなったので、隣の田を購入したくて話を進めました。そうしたら話の流れで550坪の土地を購入する事になりました。実際にはここまでの土地は必要ないので半分を畑として使い、もう半分を社員や地元の人と農作業を楽しめるスペースにしたいと思ってます。これからも自分が楽しめて社員、地域の人が楽しくなる事を増やしていきたいです。そのためにしっかり稼いで楽しい事を増やせる会社を作っていきたいです。

<沖野彫刻 沖野 兼一(燕支部)記>


取材班がみつけた会社の横顔

今回、私達は2015年度広報情報化委員長の沖野彫刻の沖野兼一さんのところに取材に行ってきました。沖野さんは今年度で青年部会を卒業し、広報情報化委員会では委員長の役目を終え、引き続き広報情報化委員会で活躍していただく予定です。青年部会では経営者としての基礎を学び、広報情報化委員会の活動では経営者としてのスキルやアイデアをたくさん学んできたと話していた沖野さん。広報情報化委員会の活動では、文章を書く能力やパソコンのスキルも上達し、なにより取材を通じ、じかに社長さん達の報告を聞き、見聞を広める機会が多くあり、自分達の仕事に大変役に立っていると話されていました。

同友にいがた vol.343[2016年4月号]会社の目的を「みんなが輝き、楽しいことを追及すること」だと話していた沖野さんは近年、ヤギを飼ったり農業を始めたりと彫刻師という職種にとらわれず、楽しそうだからやってみるという考えの下でいろいろな取り組みを始めています。そんな中、最近では社員さん達の協力のもとで事務所も新築し、会社を一日休みにしてみんなで引っ越しも行ったそうです。この事務所も親戚の大工さんから材料を貰い、ほとんど自分達で作り上げたことから、普通の建物では考えられないような価格でできたと言っていました。

これからも楽しいことをみんなで追及していく沖野彫刻さんにはますます目が離せなそうですね!

こうした取材を通じてたくさんの会員さん達との交流の中で自分たちが学ぶことができるのも、広報情報化委員会の良いところだと思いますので、4月14日の上越支部の取材にご興味のある方は委員会外の方でもご参加お待ちしております。

<株式会社富岡鉄工所 冨岡 洋也(新発田支部)記>

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