同友にいがた vol.332[2015年5月号]

同友会との縁で夢が実現!感謝の糸を繋ぎ続ける事が今の私の役割。 - 相田 忍さん(燕支部) 有限会社ネットワークジャパン代表取締役 | 同友にいがた vol.332[2015年5月号]

何も持たない人間が起業?

今から15 年ちょっと前、世の中に携帯電話が普及しはじめた頃は、やる気さえあれば誰でも代理店になれる時代でした。専門知識も技術も資産も無かった当時。代理店契約には法人であることが条件であったため、1999年通信機器事業者として法人設立(資本金を用意するまで2年ほどかかりましたが・・・)。ポケベルが下火になり、携帯電話に興味が行き始めた時代だったので、その追い風はすぐに上昇気流に乗り、販路拡大するだけで事業はどんどん拡大していきました。

しかし所詮は普及させる事が目的のような立場である我々代理店は、普及率が高まるにつれ、キャリア専売店舗戦略へと移り変わり、代理店に対しての仕入れ減少・手数料減少・過剰な目標設定と移行し、事業の先行きを年々不安として感じさせられるようになっていきました。

事業転換しなくては!新たな事業をプラスしなければ!とはいえ、今の事業をゼロにはできない。創業から7年ほどで、焦り始めます。

売れそうな商材を探して既存の店舗で販売?売れそうな商品の開発して卸業になる?インターネットでマーケットを広げる?知恵も技術も資産もない弊社にとって、リスクは最低限に抑えたい。ネットでたまたま目に入った文字が「指定管理者制度」。地元燕市でも民間に向けて募集を開始したとの事、投資も設備もいりません。こういった事業もあるんだ?募集要項を見ると弊社でも応募は可能との事。書類作成の勉強にもなるし、ダメもとで応募だけしてみよう!

結果はみごと「選定!」。毎年売り上げを伸ばしたり、潤沢な利益が得られる事業ではありませんが、公が選定した企業として地域にアピールが出来ます。これを機に地域密着が広く強く行えるのでは? 2009年から3年、2012年から3年、2015年から5年、3回目の選定も決定。指定管理者として多くの方々と出会えた事は現在貴重な財産として残っています。

介護事業への参入

携帯電話販売・指定管理者に続き、3つ目の事業として2012年6月、介護保険事業所(福祉用具貸与・販売)の事業申請を行いました。

未経験・無資格の私がなぜ介護事業に?数ある介護事業の中で福祉用具だけが私でもすぐに資格が取れ申請できる事業であったことは事実ですが、かねてより福祉用具事業を営んでいた知人から、「本当は私なんかより相田さんの方が福祉用具事業に向いているとずっと思っていたんですよ」この一言が私の好奇心の扉を開いた瞬間でした。理由?たぶんお人好しだからだと思っています。3つの事業を同時進行できた要因は拠点が地元であり、予定と時間の調整で動けた事が幸いでした。

ホントのような嘘の話?嘘のようなホントの話?

「明るく元気な人(軽介護度者)を対象とした、この辺には無いデイサービスを吉田に作ろうと思うけど相田さん興味ない?」2013 年の師走、吉田工業の吉田会長から突然メールが届きました。

「興味?もちろんあります・・」「でも何で私?デイは未経験ですよ・・」「夢みたいな話ですね?夢でもワクワクします・・」ドキドキしながら返信しました。

ホントのような嘘?嘘のようなホント?のメールが届いた時から、夢のような時間がゆっくりと進み始めました。このやりとりは、(中村ターンテック・中村雪江さんが部会長をされていた女性部会で、新潟支部の渡部貞子さんのデイサービス「サロンDOO」へ見学に伺ったことが始まりです。渡部さんの介護事業への事業転換や、施設のコンセプト等に非常に感銘したらしく、その後一緒に東京へ出かけた吉田夫妻・中村夫妻・伊藤夫妻の6人(オーナー)の間で盛り上がったそうです。「将来、私たちもこういうコンセプトの施設に通いたいよね!」「既存の施設は雰囲気暗いし、色々な症状の人が混在してて行きたくないよね」「同じ思いの人たちって多いと思うよ」「サロンDooみたいな施設って吉田にはないよね」「じゃあ俺たちで作るか?」「作っても誰が運営するの?」「適任者がいるじゃないか!打診してみようか?」女性部会での感動が、日頃から懇意にしている支部の会員仲間に伝わり、それをビジネスモデルとして地元に置き換え、実現させるには何が必要なのか話し合われます。これらの話が事前に計画されていた議題では無く、それも会議室で行われたのではなく、多少お酒も入った和気藹々な時間の中で進められたと聞いたのは後日談です。

実現にむけて

「お前が協力してくれないと実現しない。」介護施設の現場で看護師として10年以上経験のあるカミサンを説得させるのが、今回のミッションの条件であり、一番難関のハードルでした(次は職員と資金)。何故ならカミサンは業界の良いも悪いも全て知っているため、夢見る少女ではいられません。カミサンが決意するまでには数ヶ月かかりました。決意の要因としては、オーナーたちの真横にいる奥さんの存在が何よりも大きかったと思えます(女は女同士、妻の存在は大)。とはいえ、私は日ごろ他社のデイサービスには出入りしていても実務経験は無し、カミサンは実務経験はあっても勤務職員であったため、デイサービスの事業申請や運営に関わる一切を知りません。やる気だけの私と不安要素の多いカミサンとの2ペアで、果たして本当に実現出来るのだろうか???期待と不安との葛藤が日々続きました。「気持ちを前向きにするためにも、渡部さんのサロンDoo へ見学に行こう!」

同じ同友会繋がりとはいえ、女性部会の見学をきっかけに同スタイルの施設を立ち上げようなんて話が持ちあがっているとは、渡部さんも当時は予想していなかったことでしょう。

渡部さんは、初対面の私たち夫婦に惜しげもなく施設見学・設備・利用内容・申請・経理・人員等、注意点と失敗談も含め、あらゆることを教授して下さり、私たちは前に進もうと決意しました。

渡部さんは異業種からの事業転換で介護事業を立ち上げた成功者として業界でも高名な方です。幸いな事に同友会繋がりであったことが、何よりも好意的に接して頂けたことに感謝しております。

つなぐ=ご縁

同友にいがた vol.332[2015年5月号]昨年春、サクラが咲き始めた頃、計画が実現に向けて進み始めました。オーナーの方々が動いて下さり、7月には地鎮祭を迎える事が出来ました。その頃カミサンの決意も固まり、これまでの職場に退職願いを提出。そして12月にとうとう夢の形が出来上がりました。自立生活支援デイサービス「わんだふるらいふ」を開設したのです。ここからがいよいよ本番です。

介護施設の運営は私にとって将来叶えたい夢ではありましたが、こんなにも早く実現するとはそれこそ夢にも思っていませんでした。

同友会にはそれぞれの支部で毎月行われる例会があります。それらの例会に参加する事は、双方向の学びや気付きが多く含まれており、共通の経営課題を認識し合える場であります。

2年前の燕支部2月例会に、創業からの経緯や今後の展望を報告させて頂きました。介護事業に参入し、将来は地域に必要なサービスを提供できる施設の運営をやりたいと報告した事を参加されたオーナーたちが覚えていてくれたことが、今回の施設運営への大きなきっかけでした。同友会に入会したご縁も吉田さんとの出会いがきっかけであり、年齢も業種も違う会員同士が互いに研鑽し合える同友会は、経営者にとって大きな存在であり、至るところに様々な器の持ち主の会員さんが存在し、その方々と何らかの形で繋がる機会がある事も同友会の素晴らしさだと思います。

施設がオープンして4ヶ月が経過しました。メンバー(利用者)も日増しに増え、いつも明るい笑顔と笑い声が快適な空間に響いています。メンバーの変化を見るたびに、環境やコミュニケーションがこんなにも影響力があるものなのかと改めて実感しています。

こうやってつながれたご縁は、施設を拠点として地域に笑顔と元気をつないでいきます。「ありがとう」メンバーさんとのやりとりの後に必ずついてくる魔法の言葉。想いはちゃんと伝わる、そしてその想いはつながっていくんだと日々実感させられます。

今はご縁に感謝し、一日も早く施設運営の安定を図り、社員・メンバー・地域の方々へと感謝の糸をつなぎ続けていくことを大きな役割として、あと20年は現役でやり続けることが私たち夫婦の新たな使命となりました。

20年後には、オーナーの誰かが自分たちのデイサービス「わんだふるらいふ」に通って来ているかも知れませんね。

<有限会社ネットワークジャパン 相田 忍(燕支部)記>


▼取材班がみつけた会社の横顔

同友にいがた vol.332[2015年5月号]私は、相田さんから看板の注文を受けたことも有り何度か訪れていますが、この施設は明るく、楽しい雰囲気が好きです。相田さんやオーナーの気持ちが表れていると思います。出来たばかりで新しい事もありますが、天井が高く白を基調とした部屋に真っ赤で格好いい椅子が並んでいたり、スタッフが楽しそうにしている姿は、お年寄りの施設という感じより、ダンスをする施設のような印象です。

隣に新しい小学校があるので子供たちの遊ぶ姿が見れるし今後、色んな交流も生まれそうです。相田さんは、この施設が出来てから奥さんと同じ職場で働けるようになったので、時には喧嘩する事もあるけど、ここに居ると話さない訳にはいかないから自然と仲直り出来るし、同じ話題ができ同じ方向を向いて歩んで行ける事を喜んでいました。

相田さんと話していて、いつも感じている事ですが人に興味があり、細かい所までの気遣いが出来る人です。ホントに人が好きなんでしょうね。今回撮影のために利用者と一緒に体操をしている所を撮影させてもらいましたら終始笑顔で指導をしていて、その顔がすごく幸せそうでした。

<沖野彫刻 沖野 兼一(燕支部)記>

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